2007年7月27日 (金)

鍛高譚のロックで将棋を

蒲田の小料理屋「I」に行った。飲み食いしながら将棋ができる店を探していたら、以前勤めていた子会社のK氏が見つけてくれたので一緒に行ったのだ。実はこの「飲み屋で将棋を指そう」という話は、以前の同僚I氏から先に声がかかったのだ。義理からいえばI氏と行くべきなのだが、K氏が店を見つけてくれた関係で、先にK氏と一戦交えることにしたものだ。I氏との対局は来週に予定した。

この小料理屋「I」が変わっている。木曜日は混むのに、金曜日は暇だというのだ。理由はわからない。だから今回の話も、金曜日なら他の客がほとんどいないから将棋を指してもいいよ、という条件でOKしてもらったとか。実際、6時半頃に行ったら店は貸切り状態だった。道すがら偶然、飲み仲間のY氏と出会ったので彼も加わり、合計3名になっていた。

K氏との対局は面白かった。初手から数手まで定跡手順だが、その後どちらかが突然変な手を指して一気に定跡から外れ、未知の世界に突入するのだ。すべての対局がそうなったから、興味が尽きることがなかった。時折、爆笑の手もあった。

極め付きは「序盤に隙がある」ジョヴァンニ・スキアリの序盤手順だ。名付けて「ケチケチ袖飛車」。どういうことかというと、対局図を見てもらいたい。

1

先手(手前)がK氏、後手(向こう側)がジョヴァンニだ。K氏が7八飛と石田流を見せた瞬間、7筋の歩を切られるのを嫌って、ジョヴァンニが7二飛と、飛車を一つ隣りに寄ったところだ。この袖飛車を見てK氏が「何だそれは」と悲鳴をあげた。

Photo_74

飲むほうは定跡に従い、まずは中生で乾杯。それからK氏がボトルキープしていた、しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」を続けた。普通の焼酎が25度ぐらいのところ、この鍛高譚は20度ぐらいであまり強くないから、水で割らずにロックがいいとママに教わり、それに従った。将棋は面白いし、焼酎はうまい。アジのたたきなど肴も進んで大満足だった。今後、金曜日の楽しみが増えたな。

2006年6月 7日 (水)

「陽動袖飛車」戦法

パソコンのおまけに付いていた「柿木将棋Light」と遊んだ。一番高い「レベル5」に設定したが勝てた。ジョヴァンニの秘密作戦「陽動袖飛車」が成功したんだ。その棋譜を公開するよ。ジョヴァンニは段無しでおおよそ初段程度だから高段者からみると低次元の棋譜だろうけど、そこは勘弁してね。

Photo_21 先手<ジョヴァンニ・スキアリ>▲7六歩、後手<柿木将棋Lightレベル5>△3四歩、▲6六歩、△8四歩、▲6八飛、△6二銀、▲7八銀、△4二玉、▲3八銀、△6四歩、▲7七角、△8五歩、▲1六歩、△5二金、▲6七銀、△3二玉、▲3六歩(図)

先手四間飛車模様で始まり、後手の玉が3筋に寄ったタイミングで▲3六歩と突いたところ。これがジョヴァンニ得意の「陽動袖飛車」の狙いだ。

図より、△4二銀、▲3七銀、△5四歩、▲4六銀、△3三銀、▲3八飛、△2四銀、▲5六銀、△1四歩、▲7八金、△1五歩、▲同歩、△同香、▲1七歩、△1一角、▲7八玉、△6三銀、▲3五歩、△7四歩、▲3四歩、△5五歩、▲同銀右、△7五歩、▲同歩、△3一玉、▲1六歩、△7六歩、▲8八角、△1六香、▲同香、△1五歩、▲同香、△同銀、▲1四香、△2二角、▲1二香成<角取り!>、△8六歩、▲同歩、△2四銀、▲1四歩、△8六飛、▲8七歩、△8五飛、▲1三歩成、△同角、▲6五歩、△3七歩、▲1八飛、△4二玉、▲6四歩、△7二銀、▲5四銀、△7七歩成、▲同金、△5三香、▲同銀成、△同金、▲8六金、△8四飛、▲1一角成、△5五歩、▲同馬、△4四金、▲6五馬、△3八銀、▲同金、△同歩成、▲同飛、△8八金(図)

Photo_22 後手は先手の袖飛車に対抗して△2四銀から棒銀を見せる。先手はいったん▲1七歩と辛抱して、その後反撃に転じて▲1二香成で角取りとなる。しかしこれを取らずに我慢して後手玉を狭くする作戦を採った。これが功を奏して優位が広がる。有効手がなくなった後手は、△8八金(第2図)と駒を取るだけの俗手を指してきた。

図から、▲7四歩、△9九金、▲7七桂、△3五香、▲1八飛、△8九金、▲8五香、△9四飛、▲9六歩、△3四金、▲9五歩、△7五歩、▲9四歩、△7七歩成、▲同玉、△5一金、▲8二香成、△5三桂、▲5四馬、△4四金、▲7二馬、△3九香成、▲6三歩成、△6五桂、▲同銀、△2九成香、▲7一飛、△6一桂、▲6二と、△5五金、▲6六銀、△7三桂右、▲同歩成、△2八成香、▲同飛、△6五金、▲同銀、△9七銀<ん、なんだこの無駄な手は>、▲7六金、△8八銀不成、▲8六玉、△9四歩、▲5一と、△8五歩、▲7五玉、△3三玉、▲1三成香<角取りになってから80手目でやっと角を取る>、△同銀、▲4五馬、△2二玉、▲7二飛成、△3二香、▲4一角、△1一玉、▲3二角成、△3三桂、▲2一金、△1二玉、▲1一金打(詰め上がり図)まで145手でジョヴァンニの勝ち。

Photo_23 負けを覚悟した柿木将棋は途中△9七銀などという無駄な手を指してきた。柳に風で軽くかわして、後は俗手の連続で楽勝。嬉しいな。これでストレスが飛んだ。この「陽動袖飛車」って面白いでしょ? 最近「藤井システム」が有名になったので、先に▲3八銀と立つのが不自然でなく、相手を引っ掛けやすいんだ。もっとも相手がパソコンだと、そういう心理戦は通用しないだろうけど(笑)。

最近のトラックバック