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2013年7月28日 (日)

ミモザの会 展

「第25回 ミモザの会 展」(藤沢市民ギャラリー)に行った。

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このグループは講師♪蓮池高夫の指導のもとに絵画制作を行っている。蓮池高夫については、2010年に開催された「藤沢美協会員展」で「生命」という半抽象の作品を観て「荒々しい中に構成感がある」という感想を抱いた。それに対して今回展示された「藤沢川の新緑」は水彩による洒落た風景画だった。様々なタイプの絵を描くことができる画家なのだろう。

案内葉書に連絡先として名前が書かれている♪昆田須美子の「花Ⅱ」は花瓶の花を描いた具象画だ。ただ普通の静物画と異なるのは、画面を分割するような横線が何本か引かれていた点である。それによりキュビズムのようなたたずまいとなっている。この描き方をもう少し推し進めるとキュビズムになるのではないかという感じがする。

同じ作家の「豚舎」も一味違う風景画だ。建物の背後にある樹木の枝の描き方がモンドリアンの初期作品に似ているのだ。こちらも、これを追求していくと直線で画面を分割する完全抽象に行きついてしまうのではないか、という予感がする。

昆田須美子の2作品に見られるこのような特徴は、作家が普通の風景画に飽き足らず、新しい工夫を凝らした跡ではないかと考える。それは作家自身の自己努力によってもたらされたものであろう。キュビズムやモンドリアンの平面分割などを単に模倣するなら簡単だろう。しかし昆田は真似ではなく、自ら「何か」を求めて模索した結果としてこの2作品を編み出したのだろうと考えた。

昆田の「豚舎」の特質は、同じ景色を描いたであろう♪佐々木博通の「早春の豚舎」と比べてみるとよくわかる。佐々木作品のほうは、より写実性が強く、落ち着いた風景画である。変えてゆくのだけが能ではなく、このように既存のスタイルの中で深みを求めるのも一つのいきかただと思う。

面白いと思ったのは♪山口俊子の絵画にコラージュを施した作品だ。「クラシック」は音楽を題材としており、楽譜がコラージュされている。しかしその手法は時々見かけるのでさほど新鮮味がない。面白かったのは「アップルの庭にようこそ」だ。これは林檎を題材としていると同時に、企業のアップル社も暗示している。そして画面右手にはアップル社の株価にふれた新聞記事がコラージュされているのである。何と楽しい作品なのだろう。

楽しい展覧会だった。

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コメント

ジョバンニさん、早速に観に行っていただいたのですね。ご本人にこのブログで紹介されたことをお伝えしたところ、「私はそんな難しいことは分かりません」と仰っていました。
ところで先日のNHKの「プロフェッショナル-仕事の流儀」で紹介された大阪の「居酒屋(ながほり)」をご覧になりましたか?行きたいですね。

創作者である画家さんが一番偉く、鑑賞者はいろいろ理屈をこねているという図式が見事成立してしまいましたね(苦笑)。

大阪の居酒屋はテレビを観ておらず、知りません。COOSKEさんが注目されるのですから、間違いなく極楽でしょう。行きたいなあ。

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