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2013年7月21日 (日)

利根山光人展

「シリーズ<現代の作家> 利根山光人展」(町田市立国際版画美術館)に行った。

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「反骨の画家」とか「バイタリティーを求めて」というキャッチフレーズが書かれているが、これらの言葉が利根山の創作活動にマッチしていると思った。チラシ上の「フィエスタ」はメキシコに渡った利根山が伝統行事の活力に創造の源を求めた作品だし、下の「ヒロシマシリーズ A.M.8.15」は文字通り戦争の悲惨さをマイナスの動力源としてキャンバスにぶつけたものだ。

この展覧会では配布された小冊子が充実していて鑑賞の助けとなる。

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上の「Viva Mexico」は、やはりメキシコをテーマとしたものだが、こちらはエイゼンシュタインの映画「メキシコ万歳」に触発されて制作されたシリーズだ。下の「鷲」もメキシコ体験を下敷きにしている。

利根山作品の特色は、読売アンデパンダン展出品の頃の抽象構成をベースに、メキシコ体験などの活力を上乗せしているという点だと考える。初期の作品「骨の歌」が小冊子に紹介されている。

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上記の考え方を言い換えれば、利根山作品は数学的・構成的・抽象的な側面と、それを覆い隠すような土俗的・熱情的な側面が融合しているということになるだろうか。

そしてそれは愛するコンスタンティン・ブランクーシの彫刻作品の特質と相通じるものがあるのだ。私が利根山の作品にある種の親近感を感じたのは、どうやらそのあたりに起因していると思う。

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なお利根山の作品は、2009年に開催された「利根山光人とマヤ・アステカの拓本」(世田谷美術館)で初めて接したと思う。その時は拓本が中心だった。今回は(版画中心ではあるが)利根山の創作活動の全体の流れを振り返る内容だが、拓本の展示は少なかった。そういう意味で良い補完関係が成立した。

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