第36回 紀声会コンサート(横浜みなとみらいホール 小ホール)に行った。

妻ジョアンナ(仮名)もピアノで出演したし、声楽の専門的な事はわからないので、演奏技術に関しては何も書けない。例によって演奏以外の事で感想を書いておこう。
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運営面で課題がいくつかあった。段取りの悪さが見られたが、これは主催者側も気が付いていたし、ご愛嬌という感じだった。問題だったのは照明である。
1曲当たりの演奏時間が長い場合、例えば前半と後半で交響曲を1曲づつ演奏するようなコンサートの場合は、開演前と休憩時間にプログラムをひもとけば良い。この場合は演奏中は客席が暗くても問題はない。
それに対して今回のようなコンサートでは、演奏者の数が多く、かつ観客が初めて接する楽曲と演奏者が多いようなコンサートではステージ毎にプログラムを見たいという希望が多いはずだ。しかし客席側が暗いのでプログラムを読むことができない。これが問題なのである。
しかも今回は2度ほど場内アナウンスがあり、演奏者と曲目についての変更が告げられたが、その場合もプログラムが暗くてよく見えないため、変更内容を理解しにくいということがあった。
解決策はあるだろうか?私はいっそのこと最初から最後までステージと客席の照明をつけっ放しにすればどうかと考えた。しかしこの方法だと、演奏者の立場に立てば、観客がよく見えすぎて気が散るという問題が起こるであろう。痛し痒しである。観客にも演奏者にも納得して戴ける方法はないものであろうか?
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なお演奏について書かないつもりだったが、今回際立っていたことがあったので書いておこう。それは第1部に登場した若手と後半のベテラン勢との相対的な差がこれまでより縮まっていたのではないかという点である。
これは、若手が成長しベテラン勢が現状維持だったからであろうか?あるいは若手は現状維持でベテラン勢に衰えがあったからであろうか?
私は上記のどちらでもなく、若手もベテランも両方とも成長したが、その成長率に差があったと考える。イメージでいうと(厳密な数字ではないが)ベテランの成長率が1.1であったのに対し、若手は1.5だったので両者の差が縮まったというわけだ。
このようにして全体のレベルの底上げがなされたと思う。素晴らしいことだ。お疲れ様でした。
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