第1回「損保ジャパン美術賞」展”Face 2013”(損保ジャパン東郷青児童美術館)に行った。共同主催の読売新聞からもらった招待券を使ったのだ。読売新聞さん、いつもありがとうございます。

同美術館では10年以上にわたりを継続開催しており、私も何回か足を運んで楽しませて戴いた。こんなに面白い展覧会は他に無かった。これまで私が観た公募展の中で最も楽しめた展覧会だったのだ。「選抜奨励展」
今回行った「損保ジャパン美術賞」展は「選抜奨励展」を継承する企画だが、集められ、展示された作品群を観る限り作品の質は落ちていないし、むしろ高まっていると思った。若い作家だけでなく、ベテラン作家も含め凌ぎを削るという選抜の厳しさにより作品がふるいにかけられ、一握りの光を放つ作品が残って展示されたからだろう。
このような公募展に出かけると、私は自分ならどの作品をグランプリに推すかなと考える習慣がついている。過去の「選抜奨励展」でも同じことをして、自分の選んだ作品が受賞作品と同じだった場合は審査員とベクトルが合ったと思って喜び、異なる場合は自分の鑑賞眼がユニークだと思って喜んでいた。要するに素人の勝手で、どちらに転んでもいいように解釈しているのである。
今回の「損保ジャパン美術賞」展では、私は迷うことなく♪浜田澄子の「緑陰・苔むしに森」を最も素晴らしい作品として選ぶ。

この作品が良いと思う理由を列挙してみよう:
・純粋抽象としても鑑賞に耐えうる半幾何学的な構成感
・抽象と具象の狭間に位置し、両者を行ったり来たりしながら鑑賞することによる眩暈(めまい)のような印象
・単一の色相(緑)の濃淡づけだけでこれだけの変化をつけられるという驚き
・無さそうで、実は隠し味的に味わえるマチエール感
このような好ましい作品に出会うと、その展覧会に足を運んだ甲斐があったと素直に喜ぶことができる。
その次に良いと思う作品は一つに絞れないので、気になった作品を紹介がてら、好きになった理由を列挙してみよう。上記の浜田澄子の作品以外は順位を付けられないので、便宜上作家名の五十音順に並べる。
♪阿部泰介「焔の花」

すごい絵だと思った。速水御舟の「炎舞」のような世界が描かれている。このような絵が受賞しなかったのは、巨匠じみたたたずまいが禍しているのだろうか。でも私はいいものはいいと思うのだが・・・。
♪堤康将「嘯(うそぶ)く」

面白い作品だと思った。今回の展覧会のグランプリ受賞作だ。たまたま私の好みとも合致した。
♪福本久人「億土」

美しくて楽しいと思った。元永定正の白地に描かれたカラフルな作品の地を黒に変えた感じだ。
♪Yogyami「All you need is Love」

不思議だ。私は日頃このような絵を好まないのだが、この作品に限って抵抗感なく受け入れることができた。この童話のような絵は、表面的には深みが無さそうに見えるが、何か特殊な魅力を内在しているのであろうか?
♪横溝美由紀「Weave Words」

完全抽象の作品でマレーヴィチの正方形を想起させる。マレーヴィチと異なるのは強いマチエール感だ。タピスリーのような肌触りを感じさせる作家の筆力はすごいと思った。
この公募展は面白い。次回(第2回)も楽しみだ。
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