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2013年2月25日 (月)

清水 玲 「まにまに」

清水 玲(りょう)の個展「まにまに」(アトリエ・キリギリス:藤沢)に行った。

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アトリエ・キリギリスは診療所だった建物を、内装をあまり変えずに再利用したギャラリーだ。蔦のからまる外壁、うす汚れた白壁、曇りガラスの外にうごめく枝葉、閉塞感あるレントゲン室、ヤカンが湯気を立てる石油ストーブ、きしむような2階への階段・・・。

これらの舞台装置により、この場所は世捨て人となった天才科学者が怪しい研究を執り行う隠れ家に見えるし、ホラー映画の舞台にもなりそうな妖気漂う空間なのだ。

しかしアトリエ・キリギリスは、独特の肌あいを持つ調度品、洒落たセンスのカードや冊子類、そして現代アート作家の展示作品などが発するオーラにより、モダンで素敵な雰囲気が形成されている。「怖さ」との境界線ギリギリのところに存在する危うい、フラジャイルな魅力を放っているとでも言おうか。

そのような個性を持つギャラリーで、これまた個性豊かなアーティスト・清水 玲が個展を行っている。柱には一部が欠落した漢字の群れが描かれている。上から順に書かれた柱(下のほうが空白)もあるし、下から順に書かれた柱(上の方が空白)もある。下を見ると床にはその欠落した部分がこぼれ落ちている。

レントゲン室には壁に同じような判読困難な文字が四角形状に並べて描かれている。壁からドアにはみ出している一群もある。周りに鏡が貼り付けられた箱がいくつか置いてあり、その鏡にも文字群が映っているので複雑な感じがする。

これらの文字の作品を観て、私は(内容的には異なるが)中島敦の短編「文字禍」を想いだした。

2階の展示室ではモニターに動画作品が映し出されている。個展のテーマにもなった「まにまに」だ。また作動中のエスカレーターに置かれた傘が振動しながら、上へも下へも移動せず一つの場所に留まっているところを映した不思議な作品もあった。

なお2階にはこの個展に合わせて「KASPER」というブックショップがオープンした。楽しい一角だ。

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面白い空間に展示された面白い作品群。楽しいので再訪したい。

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コメント

むむ、これはそそられます。
藤沢ギャラリー経由はるもき吞み
再訪の折にお誘いください!

私としては渾身の力を込めて文学的な表現を意識して書きました。文章は下手ですが、これは仕方ないですね。結論は、アトリエ・キリギリスは途方もない魔力を包含した場だということです。

開廊日が不定で、主として土日しか開いていません。行くなら土曜日の午後4時前後かな。その後を考えると・・・。

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