創作日記:怒りの日―7
全体構成がどうやら落ち着いたので、こんどは4つの主題を作る段階に入った。バッハの「フーガの技法」の有名な未完のフーガ(コントラプンクト19)は完成されていれば4つの主題が使われ、最後にそれらが同時に鳴るという想定がなされている。私はそれに倣って最後に4つの主題の同時再現を意図した。
4つの主題を同時に鳴らし、かつ和声的にも調和を保つためには、最初に4つの主題が重なり合ったところから作るのが近道だ。決まっているのはヴィオラのパートで「怒りの日」の第4主題を鳴らすことだけ。他はそれに調和するように作ってゆく必要がある。
私はここである事を思いついた。「怒りの日」の出典の聖歌は変拍子だった。この原型を損なわず、なおかつ4拍子に乗せてみようというアイデアである。そうやって作ったのが次の最終部分だ。

ヴィオラが鳴らす「怒りの日」のテーマは5拍子で始まる。全体を4拍子で構成すると1拍(四分音符1つ分)余る。これを次の小節に移してしまうというのが趣旨だ。
こうする事により原型が保たれ、なおかつ4拍子が崩れず、なおかつ和声的にも調和して、さらにこの「ずれ」がある種のシンコペーションのようになり、曲に変化を与えるという仕掛けになっている。
この重なりをしばらく温めておき、しばらくして再検討してみよう。このままでよしとするか、あるいは手直しするか、あまりあわてず進めてゆこうと思っている。
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