創作日記:怒りの日―3
「怒りの日」についてネットで調べてみようと思った私は、帰宅してすぐWikipediaにあたってみた。するとグレゴリオ聖歌の一つとして修道士セラノのトーマスによって選定されたという旋律の譜面が掲載されていた:
これでよしと喜んだのも束の間、譜面をよく見るとある事に気が付いた。普通の楽譜に書き直すと次のようになるのだ:
これはすごい変拍子だ。これでもフーガに仕立て上げることは出来なくはない。しかしいずれ仲間に演奏してもらうことになるから、可能なら易しい拍子で作りたい。
そう考えた私は、では過去の作曲家が「怒りの日」を作品にどのような形で取り込んでいたのかを調べることにした。まずは有名なモーツアルトのレクイエムの一部「怒りの日」を見てみよう。
むむむ、これは何というか、原型をとどめていない。「怒りの日」はこのように作曲家によって自由に扱われていたのか。他の作曲家はどうだろうか。Wikipediaにはベルリオーズの「幻想交響曲」の第5楽章が紹介されていた。該当すると思われる箇所は次のような感じだ:
こちらは原型に近い。しかも普通の拍子で書かれている。そうか、このベルリオーズの例のように、原型をある程度変形させて都合のいい拍子にすればいいのか。
というわけで「怒りの日」のテーマは原型を重んじつつも、他の声部との兼ね合いで多少変形させることも許容範囲として構成を考えてゆくことにした。これで基盤ができた。さあこれからが腕の見せ所だ。
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