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2013年1月20日 (日)

よつい展

「第2回 よつい展」(成城さくらさくギャラリー)に行った。

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四辻を意味する「よつい」の名称通り、4人の若手日本画家による展覧会だ。今回はメンバーの一人市川裕司が五島記念文化賞新人賞を獲得したばかりで、喜ばしい雰囲気がたちこめていた。ただご本人・市川裕司がドイツ研修のため欠席だったは残念だった。

♪荒木享子
私が行った時間に在廊で話を聞くことができた。何点かの展示作品のうち私が最も好んだ作品は「縞の卓上」だったが、この作品はチラシ(上に掲載)に採用されていたので作家ご本人の趣味と合致したらしく、嬉しかった。

表面は柔らかく、優しいのだが、その背後に骨太なコンポジションが控えているようで、それも私の好み通りだった。イメージで言うと、直線で構成された骨組みをまず描いて、その上に塗り重ね、最終的には骨組みを覆い隠して見えなくした、という感じだった。

実際には構成は頭の中で作り、直接描いてゆくというプロセスなのだろう。その統制力がすごいと思った。

♪船橋巧宣
日本画の修復や模写で技術を磨いている作家だ。ネットで調べると、模写のために膠(にかわ)などの素材を自作しているらしい。手間がかかり、大変な作業だと思う。

ところが今回展示された数点の作品を観たら、どれも伝統的な日本画から距離を置いたような内容だった。得意技をあえて封印し、それ以外の力を試してみたという感じだ。

さらに驚いたのは1点1点作風が異なったこと。まるで何人かの違う作家が競作したような感じだった。制作技術だけでなく、作風に関しても様々なものにトライしたというところだろうか。

♪阿部友子
前回(昨年の1月)は美しい花の絵が中心だったが、今回はチラシに採用された「雪叢」が異なった作風に見えた。新たな境地を見出したのであろうか。

樹の枝が触手のように伸び、植物ではなく動物のような印象を与える作品だ。ところがその反面、オーストラリアのアポリジニが描く絵画のような記号性も感じ取れた。両者は相矛盾するようだが、画面に綺麗に収まっていた。

作品名は「あかり」であっただろうか?金網に花がからんだ作品があった。これは前回も観た記憶がある。背景を無地にしたほうが花の美しさが際立つだろうが、あえて金網を配するところに工夫があると思った。下手に描くと金網が邪魔してすっきりした美しさが損なわれるであろうが、そんな事はなかった。そのあたりがこの作家の力量なのかと思った。

レセプションには参加できず残念だったが、次回(第3回)に期待しよう。

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コメント

私は荒木さんの2つのキャンパスを合わせたカフェテーブルのそばの静物画が好きです。
ブラックの色彩、セザンヌの果実の描き方、とてもおもしろい作品に仕上がっていました。
阿部さんと2階でゆっくりお話しできたことはとても良かったです。
素敵な女流画家さんが私のようなおばさんファンとお話してくださったのはとても嬉しかったです。
ジョヴァンニさんの風邪の具合が心配です。
どうぞお大事に。。。

阿部さんが今回出展されたこれまでと異なる作風の絵について、その背景を聞いてみたかったです。
船橋さんには、様々な作風の変遷に関して、その順序とか、それぞれどのような気持で臨んだのか聞いてみたかったです。

でも以上のような事は欲張りですね。荒木さんと有意義な話ができたのですから。

風邪が続き今日も仕事を休みました。昨日38度以上ありましたが今日は平熱に戻り、明日は出勤できそうです。

阿部さんは今回初めて人物画を出品されていました。
以前松園やミュシャの肖像画が好きと言っていたので、2Fに上がって招かれるように人物画の前へ。
阿部さん曰く、人物はやはり顔。むしろ造作は描かないほうが良いのかどうか。
荒木さんと3人であれこれ人物画談義。かしましかったようで。。楽しいひと時でした。
船橋さんにはまだお会いしたことがなく今回初めて作品を見せていただきましたが、その多様な表現方法に驚きました。
パワフルな作家さんにいつかお目にかかりたいです。
さくらギャラリーはクリエイターの声が聴ける素敵なギャラリーです。

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