« 「植物画に誘われて」展 | トップページ | 美術アーカイブ:1998年(7) モンドリアン展 »

2012年12月 5日 (水)

美術アーカイブ:1998年(6) ブラック回顧展

キュビズム大好きの私としては、ピカソと共にキュビズムを生み出してくれたブラックは最も敬愛する画家の一人だ。そういう意味で「ジョルジュ・ブラック回顧展」(Bunkamura ザ・ミュージアム)は楽しい展覧会だった。

Img

ブラックと聞くとまず思い浮かべるのはピカソと競って描いた初期のキュビズム作品だ。チラシ裏面に紹介された「女の頭」あたりがその典型だ。そして私としても、このような作品を最も好んでいる。

Img_0001

それに対してこの展覧会は回顧展らしく、初期から晩年までの作品を網羅的に並べていたので、普段好んで観るブラック作品とは一味違うものも味わうことができた。ただ結論を先に言ってしまうと、私にとってブラックで最も愛すべき作品は初期のキュビズム作品に集中している。その他の時代の作品は、あまり性に合わない。

ただし若い頃の半ば習作的な作品で、セザンヌ似のものは好きだ。これは勿論私がセザンヌが大好きだからに他ならない。例えばチラシ裏面に紹介された「家と樹木」などの作品だ。セザンヌの教えを忠実に守って描いているようで、何とも微笑ましい。

Img_0001_2

しかし後年になってくると、初期の茶色と黒で渋く仕上げた作品に比べ、色彩が明るくなってくる。チラシ裏面の「青いテーブルクロス」などがその例だ。

Img_0001_3

この作品も、力量の劣る画家の作品と比べれば優れた点が多いのだろうが、私の趣味からすると鮮やかな彩色は少し邪魔なような気がする。

以上のような事情から、ブラックは私にとって「茶色と黒の渋いキュビズム作品の画家」であり続けているのだ。私はそれで良いと思っている。それが好みなのだから。

« 「植物画に誘われて」展 | トップページ | 美術アーカイブ:1998年(7) モンドリアン展 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/48092772

この記事へのトラックバック一覧です: 美術アーカイブ:1998年(6) ブラック回顧展:

« 「植物画に誘われて」展 | トップページ | 美術アーカイブ:1998年(7) モンドリアン展 »

最近のトラックバック