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2012年12月26日 (水)

2012年回顧:作曲

ここしばらく現代アート鑑賞にはまり、本業(?)の作曲に割く時間とエネルギーが極端に少なくなっていた。そのため2012年中に手掛けた作品の数も少なかった。

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その中で「自分の好きなものはこれだ!」という曲集を作ったのは大きかった。バッハの「フーガの技法」をイメージして作った弦楽四重奏のための♪「ポリフォニー工房」だ。これは3つのフーガ、2つのカノン、2つのフーガ風楽曲の、合計7曲の対位法的楽曲をセットにしたものである。3月に横浜市イギリス館で初演した。

中でも私自身が気に入っているのは第6曲「4つの主題によるフーガ」で、最後に4つの主題が同時になり響く。

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これはバッハ「フーガの技法」の第19曲(未完のフーガ)がもし完成していたら4つの主題が最後に同時に鳴っていたであろうという有名な話に触発されて作ったものだ。これは冗談だが、「バッハが成し遂げられなかった事を行ったのだから、バッハを超えた!」と一人で勝手に盛り上がっている。

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♪弦楽四重奏曲第3番は、古典的な手法で作った。先日「音楽私論:ソナタ形式の呪縛」という記事を書いたが、私自身がその呪縛に囚われ、第1楽章をおきまりのソナタ形式で作った。しかしただのソナタ形式では面白くないので、再現部で第1、第2、終結の3つの主題を同時に鳴らすという凝り方をしてみた。

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これは「ポリフォニー工房」で行った4つの主題の同時再現と同じような趣味である。

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♪弦楽四重奏曲は第4番になって初めて古典から抜け出し、近代的なタッチで作った。技法的にはメシアン創案の人工的な音階を活用した。

第1楽章は大好きなフーガ形式で作ったが、それより苦心したのは第2楽章「スケルツォ」である。

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ここでは真ん中のトリオの部分を除き、すべての小節で「レファミ」という音型がオスティナートとして鳴り続ける。この限られた音型にフィットする和音には限りがあるが、その制約条件の中で変化を付けるように工夫を凝らしたつもりである。

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3つの作品はさほど大作とは言えないが、自分なりに主張を通したつもりなので、まあとりあえず満足である。

来年に向けての抱負だが、自分ならではの作曲技法を開発し、それを活用して充実した曲を作りたい。いまイメージしているのは、複数の教会旋法を同時に鳴らす手法だ。そして旋法の間でローテーションを組み、時間の経過に沿って響きに変化を与えるやり方を追求してゆきたいと思っている。

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コメント

私は音楽の専門的なことは分かりませんが、ジョバンニさんの音の美しさを追求するその情熱にはただただ敬服するばかりです。いったい厳しいサラリーマン生活の中で、いつwhen、どうやってhow、作曲という素晴らしく知的で難しい技術を身につけたのでしょうか?
譜面を見て、音が頭の中で鳴る才能が欲しいです・・・

COOSKEさん、コメントありがとうございました。

作曲はまだ未熟のため、友人などに聴いてもらっても、なかなかウケません。特に自分の思い入れを注いだ曲がウケず、そうでない曲のほうがむしろ少しウケるという逆の状態です(苦笑)。

自分でも納得し、人の共感も得られる作品を作りたいと思います。今後も修行します。

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