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2012年12月15日 (土)

多賀新 線描の魔術師

「多賀新 線描の魔術師」(市川市芳澤ガーデンギャラリー)に行った。おなじみF君が招待券を手配してくれた上に、同行してくれた。F君いつもありがとう。

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今回の展覧会まで、私は多賀新に関し何も知識が無かった。こんなにすごい版画家を今まで知らなかったなんて恥ずかしいと思った。感想については、三者会談に委ねることにしよう。

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<三者会談 出席メンバー>
♪ギョーム・サボリネール(業務サボり寝る、以下「ギョ」と略記):
フランス近代詩人気取り
♪ジミー・ハーディ(地味・派手、以下「地味」と略記):
イギリス紳士気取り
♪ジョヴァンニ・スキアリ(序盤に隙あり、以下「私」と略記):
 イタリア人作曲家気取り

地味:ジョヴァンニ君、多賀新の展覧会に行ったんだって?
私:うん。F君に連れて行ってもらったんだ。
ギョ:どうだった?
私:いやあ、すごかったぞ。チラシにも半券にも「飛来」という作品が使われているんだけど、迫力あるだろ?

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地味:ちょっと怖い感じだな。宗教的なテーマなんだろうけど、異界的だな。
ギョ:そうだね。この漆黒の背景が効いているなあ。
私:そう言えば、F君が長谷川潔のようだと言っていた。彼は「太古の夢」という作品を観てそう言ったんだけどね。

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地味:なるほど、図録は買ったかい?
私:あいにく図録は作られてなかったんだ。その代わりにこういう冊子があった。印刷も綺麗だし、結構金がかかってそうだぞ。

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地味:この冊子の表紙にある「双璧」ってなかなか良さそうな作品じゃないか。
私:うん。僕が一番いいと思ったうちの一つだよ。中央に垂直に引かれた線で画面を二分し、背後の円環で全体を引き締め、二人の翼でバランスを取っている。そういう意味で構成感が味わえるしね。
ギョ:ジョヴァンニ君はすぐ「構成」に走り過ぎだよ。まあそれはいいけど、細かい線を使ってるんだなあ。
私:柄澤 齊の木版画みたいに細かかったよ。「食傷」なんてもっと細かいぞ。

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地味:本当だ。柄澤というと、ではこれは口木版画なのか?
私:いや、木版は無くエッチングが主体だった。ともかく精密機械みたいだったよ。F君の勧めで虫眼鏡を持って行ったんだけど、本当に役に立った。ちなみにこの「食傷」は絵葉書入れにもデザインされているんだ。

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私:そして作品リストにも背景に薄く使われている。

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ギョ:チラシと半券が同じ「飛来」で、絵葉書入れと作品リストは「食傷」か。統一感を図っているのかな。ギャラリー側も工夫したんだね。
私:うん、そうだね。統一感と言えば、ちょっと意味が違うかもしれないけど、作家の多賀新自身が登場している作品があるんだ。この「シーラカンス」がそうだよ。

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地味:ちょっと細かくてわからないなあ。
私:ごめん、そうだよね。魚の腹に四角い窓が3つ設けてあるけど、一番左の窓の中にいるんだ。
ギョ:よく見るといるような、いないような・・・。
私:そして「仏涅槃図:にも出てくるんだよ。下のに人の頭が並んでいるけど、一番右から2番目が作家の顔らしい。

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地味:ふーん。これってヒッチコックが自分の監督映画に登場するのと似ているね。
ギョ:そうだね。これはエッチングではないね。
私:そう、これは鉛筆画だよ。作家は大病を患ってから鉛筆で宗教画を描くことが増えたそうなんだ。
地味:仏の周りにいる動物は十二支かな。でも12以上いるぞ。
私:いいところに気がついたね。ジミー・ハーディ君といえば。イギリス。作家はお隣のアイルランドでこの動物のラインナップの構想を得たそうだ。
ギョ:宗教画はどんなのを描いたんだろう。
私:これは「持蓮華菩薩」。エッチングだよ。

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私:そしてこれは「十一面観音」。こちらは鉛筆画だ。

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地味:どっちも色っぽいな。
私:そういえば大病の前はエロ・グロだったけど、回復後はグロテスクな作品が減ったようだ。そしてエロスの側面だけが残ったようだね。

ギョ:話は飛ぶけど、ギャラリーはどんな所だったの?
私:いい所だったよ。庭が広くてこじんまりとしたたたずまいだった。

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地味:ジョヴァンニ君の家は藤沢市だろう、遠かったんじゃないか。
私:確かに遠かった。でも藤沢から市川まで東海道線と横須賀線を乗り継ぐと1時間と十数分で着くんだ。そう考えると、以外と近いと思う。
ギョ:通勤できるぐらいだね。
地味:いい展覧会に行ったね。

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