美術アーカイブ:1998年(4) ザッキン展
「ザッキン 彫刻と素描展」(東京都庭園美術館)の感想を想いだしながら書いてみる。
キュビズムが大好きな私はザッキンも気になっていたので楽しく鑑賞した展覧会だった。
キュビズムを取り入れた彫刻というのは、ありそうで以外と少ない。絵画においてキュビズムは二次元の平面に強引に三次元の立体を押しつぶしたようなところがある。それに対して彫刻はもとより三次元なのでその妙味が薄れるという理由からであろうか?
ザッキンは藤田 嗣治と親交を結び。藤田はザッキンの結婚の立会人を務めるほど信頼されていたという。その藤田の尽力で、ザッキンは早い時期(1922年)に日本で個展を行った。だからこの展覧会だけでなく、もっと他にチャンスはあったと考えられるのだが、なぜか私にとってこの展覧会がザッキンの作品をまとめてじっくり観る初めての機会だった。
チラシ、絵葉書に採用された作品を年代順に追ってみよう。
若い頃に制作した「曲芸師」(1943年)。何となく荒削りの感があるが、構成的で好ましい。
チラシ(本記事の最初に掲載)に採用されたのは「放蕩息子の帰還」(1952年)。私にはこのようなタイトルは不要である。純粋に造形の美しさ、楽しさを味わいたい。
もっと後年の作品「デメーテル、あるいはポモナ」(1958年)。作品の構成要素がだんだん内へ終結してきて、全体的に流れを感じさせ、洗練されたものになっている。
このように一人の作家の成長過程を追うといろいろな発見があって楽しい。
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