« 江之島参道絵巻展 | トップページ | 女声合唱団 湘南の風 »

2012年11月 3日 (土)

新作・弦楽四重奏曲第4番の初演

「横浜市イギリス館 サロンコンサート」に出演した。

Img

現在ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 全曲演奏に取り組んでおり、今回は「大フーガ」を取りあげた。長大な曲とはいえ1曲では恰好がつかないので、私の新作「弦楽四重奏曲第4番」を初演した。

これまで作った弦楽四重奏曲(第1番~第3番)はすべて古典的な手法でまとめていた。判で押したように第1楽章はソナタ形式、中ほどに緩徐楽章とスケルツォまたはメヌエットを置き、軽快な第4楽章というパターンだ。和声的にも機能和声(ドミソ、ドファラなどを軸とする古典的な和声)の範疇にとどまっていた。

それに対して今回(第4番)ではフランス近代を模した新しいスタイルを採用し装いを一新した。オリヴェ・メシアンが考案した転調不可能の音階を全楽章に適用したのだ。これは減七の和音が続くなど、少々不安な響きがする。それは聴く人の耳に優しくないので、途中に長三和音の連続でホッとする部分を作った。(メシアンのこの音階でも長三和音は構成できるので)。

そして形式上では、第1楽章にソナタ形式ではなく、私が最も得意とするフーガを配置した。メシアンの音階を使うとフーガがとても作りやすい。しかも普通の音楽と少し変わった響きも出せる。いいことづくめのようだが、楽曲の「格式」という点でバッハのフーガに追いつくことは難しい。まだまだ通過点だ。

もう一つの工夫は、第2楽章(スケルツォ)でオスティナートを採用した点だ。中間部(トリオ)を除き、このオスティナートは全曲くまなく鳴り続ける。当然のことながら和声上の制約は大きくなるが、その制約の中でいかに変化をつけるかという事を自分自身への課題とした。

第3楽章(フィナーレ)は軽快に飛ばす音楽で内容的には軽いが、それを意図とした音楽だ。聴き手がいい意味で軽く聞き流してくれたなら成功だと思っている。

以上のように、作曲においては問題・課題が多いが、今後の精進で良いものを作ってゆきたい。

« 江之島参道絵巻展 | トップページ | 女声合唱団 湘南の風 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/47707283

この記事へのトラックバック一覧です: 新作・弦楽四重奏曲第4番の初演:

« 江之島参道絵巻展 | トップページ | 女声合唱団 湘南の風 »

最近のトラックバック