« Intellectual展 | トップページ | 旧近藤邸 »

2012年9月16日 (日)

松浦隆幸の写真展

「ON THE ROADSIDE」(ギャラリーCN:藤沢)に行った。松浦隆幸がアメリカのアリゾナ等で撮りためた写真の展覧会だ。

Img

私は展覧会に出かける前に「予習」することが多い。失礼なことに私は松浦隆幸を知らなかったので、経歴などをネットで調べようとした。その際、松浦を写真家だと思い込んで、その筋で検索したのだが、有益な情報を得られない。おかしいなと思い、別のやり方で検索したら、写真の専門家ではないことがわかった。お恥ずかしい限りである。

遠回りをしたが、松浦隆幸について若干の事前情報を得ることができた。
1.大学では建築を専攻
2.もと日経アーキテクチャーの記者
3.アメリカ周遊の経験
4.土木の現場「秘境を貫く 飛騨トンネルの物語」の共著者

そして展覧会場へ。展示された20数点の作品は独特のオーラを放っていた。内容的には砂漠の中でどこまでも真っ直ぐ伸びる道路、使われなくなり放置されたガソリンスタンドの跡など「無人」、「廃墟」というジャンルになるのか。しかしそれらの作品には不思議と明るさが感じられた。

その明るさは、乾燥した空気と抜けるような青空によるものらしい。そのため、撮影された「廃墟たち」はクールで爽やかな魅力を持ったのだろう。

もっとも吸引力があったのは案内葉書に使われた傾いた給水塔の写真だ。私はてっきり老朽化して放置された物だと思っていたが、なんと現役で活躍していたそうだ。いかにもアメリカの田舎らしいたたずまいだ。

松浦の写真に似たものを「アメリカの現代写真」(小久保 彰著:ちくま文庫) に見つけた。スティーヴン・ショア、ウィリアム・エグルストン、ジョール・マイエロウィッツらの写真作品だ。それらの作品は何となく「欲張っている」というか、構図、色彩に懲り、1枚の写真に多くの要素を盛り込もうとしているような印象だ。

それに対して松浦の写真はもっと「シンプル」に見えた。対象物を見つけたら、それ一つだけに集中したような印象なのだ。この方が1つの作品に1つの要素ということで、素直にすっきりした感じで鑑賞できる。そして複数の要素が欲しければ、複数の作品を観ればよい。実際、会場に並んだ写真群を1枚1枚順番に観てゆくと、アリゾナ砂漠地帯を旅したようなストーリー性を感じた。

「写真家」松浦隆の今後の活躍が楽しみだ。

« Intellectual展 | トップページ | 旧近藤邸 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/47092661

この記事へのトラックバック一覧です: 松浦隆幸の写真展:

« Intellectual展 | トップページ | 旧近藤邸 »

最近のトラックバック