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2012年8月 7日 (火)

美術アーカイブ:1994年(3) ハンガリー構成主義

「ハンガリー構成主義展」(ワタウリウム美術館)はバウハウスとの繋がりが再認識できて興味深い展覧会だった。

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バウハウスとの接点はラースロー・モホイ=ナジである。言うまでもなくバウハウスの辣腕教授陣の一人だ。名前のカタカナ表記は「モホリ」と「モホイ」、「ナジ」と「ナギ」が混在しているが、昨年(2011年)神奈川県立近代美術館・葉山で観た個展では「モホイ・ナジ」と表記していたので便宜上それに従うことにする。

「構成主義」という用語を聞いてまず思いだすのはウラジーミル・タトリンらによるロシア構成主義だ。1910年代から20年代にかけて、シュルレアリスムと同時代に勃興した。これに対してハンガリー構成主義は、やはり1910年代に起こり、1930年代まで続いたので期間的にはロシアより長命だったという意外性がある。

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一方、バウハウスもほぼ同時代である。1919年にワイマール校が開校し、一時中断の後デッサウ校は1932年まで続き、最後に短命だったベルリン校が翌年(1933年)で閉校している。

このようにハンガリー構成主義は芸術の革新が相次いでなされた時期に花開いたので、アーティスト達の持つ気概というものが作品を通じて伝わってくるような感じがする。それがたまらなく嬉しい。

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ハンガリー構成主義とバウハウスの係りを端的に示すのが作品の類似性だ。

例えばこの作品。クレーはいいなあ。実は♪ファルカシュ・モルナールの「フィレンツェ」。

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カンディンスキーも素敵だよね。実は♪ラヨシュ・カッシャークの「絵画建築」。

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これはオスカー・シュレンマーしかあり得ないだろう。実は♪アンドル・ヴェイニンゲルの「抽象舞台―メカニカル・ステージ―」。

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ざっとこんな具合だ。このようにドイツとハンガリーという遠く離れた国の間で、近似性の強い作品群が産み出されていたのは楽しいことだ。有意義な展覧会だった。

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