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2012年6月10日 (日)

松本 竣介展

「生誕100年 松本 竣介展」(神奈川県立近代美術館 葉山)に行った。

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松本 竣介は、抽象を偏愛する私が例外的に敬愛する具象画家だ。その理由は、松本 竣介ファンならわかって戴けるだろう。線刻の小気味よさと画面全体を流れる抒情性・幻想性はクレーに通じるものがある。

通常私は絵画を鑑賞する際には、純粋に作品そのものと向き合いたいという強い願望がある。そのために、作品の属性(ジャンル、タイトル、作家名など)をできる限り排除した形で絵を観たいと思っており、務めてそうしている。

しかし松本 竣介の場合は、そうはいかない。どんなに作品自体に集中しようと思っても、その背後に作家・松本 竣介がついて回る。作品と作品の属性とが混然一体となり、もはや切り離せない状態になっているのだ。

展示作品は、ほぼ制作年代に沿って並べられている。最後のほうになると、36歳で夭折した画家の最晩年に近づいてくる。そして絶筆となった「建物」を観たら、背筋が寒くなり、涙が出そうになった。

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普段はこんな事は無いのだが、松本 竣介とその作品群に感情移入していたようだ。

以上のコメントが展覧会に対する感想の全てである。それ以上は同じ言葉の繰り返しになるのでやめておくが、今後のために気が付いた点を備忘録として残しておくことにした。便宜上、No.は会場で配布された作品リストに準拠している。

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♪P007「丘の風景」
  長谷川利行の色の使い方に似ていると思った。
♪D004「仏蘭西屋」
  素敵な線描だなあ。
♪P020およびP022「郊外」
  柔らかい筆致の中で建物が鋭い線刻で描かれているのが心地よかった。
♪P035「N駅近く」
  絵具の塗り重ねと線刻との調和が見事だと思った。
♪P037「黒い花」
  チラシに採用されただけあって味わい深い作品だ。
♪D014「人のいる風景」および「街(自転車)」
  洒落た作品だ。
♪P045及びP046「構図」
  ミロの作品のように素敵だ。
♪P052「画家の像」
  家族をかばいながら体制に反駁するたくましさを感じた。
♪P053「立てる像」
  こちらは孤軍奮闘の様子。家族を疎開させ、
 
   自分だけ東京に残った状態であろうか。

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♪P060「A夫人」
  とても美しい女性だ。誰なんだろう?
♪P075「せみ」
  子供の絵を母体にしているが、とても素敵だ。
♪P081「横浜風景」
  線刻が面白かった。
♪P085「並木道」
  既知の作品だが、一種の心象風景に思えた。
♪P086「議事堂のある風景」
  これも同様。社会的メッセージがあるかもしれないが、
  それよりも広い意味の心象風景と捉えたくなる。
♪P089「橋(東京駅裏)」
  造形的な面白さを感じた。

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♪P099「Y市の橋」
  このシリーズ中、これが定番作品であろうか。
  作品としてのまとまりはこれが一番良いと思った。
♪P112「人」
  好きなキュビズム的な表現が好ましい。
♪P122「彫刻と女」
  女性がとても美しく見える。
♪P124「建物」
  絶筆とは思えないほど堅固な作りの作品だと思った。
♪D119「ざくろ」
  洒落た作品だ。絵葉書を購入。

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♪追加作品「雑記帳」デッサン原画 桂ユキ子
  構成的で素晴らしい。この作家は知らなかった。
♪M01-09, -10, -11, -12「スケッチ帖 TATEMONO 1,2,3,4」
  線刻がとてもお洒落だった。

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