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2012年6月19日 (火)

ピアニストの為の室内楽講座

「第55回ピアニストの為の室内楽講座 研究発表コンサート -チェロとの二重奏-」(企画・構成・ピアノ指導:岡部由美子、会場:大倉山記念館ホール)の第2日に行った。

好きなチェロとピアノの曲(フォーレのチェロソナタ第2番ト短調)が取り上げられるというので興味を持ったのだ。しかし私は「世界一ブルクミューラーが似合う男」と自称する「辣腕」なのでピアノの演奏技術を学ぼうと意図したわけではない。私は室内楽を偏愛しているので、フランスの室内楽を題材にして経験を積んだチェリストに対しピアニストがどのように向き合って演奏してゆくのかを垣間見たかったのだ。

結果として、受講したピアニストのほとんどがテンポを揺らさず、清楚な演奏をしてくれたのは嬉しかった。私はインテンポを偏愛するので趣味に合っていたのだ。今回のコンサートはチェロとのアンサンブルを学ぶという課題の成果なので、自ずからそのような演奏になったのかもしれないが、いずれにしても好感持てる演奏で良かった。

ここでちょっと欲張ったことを考えた。このような研究発表コンサートをもっと面白くするにはどうしたら良いかという点だ。

世の中には今回のような研究発表コンサートやおけいこ発表会がある一方、普通のコンサートも勿論ある。そして「公開レッスン」なるものも存在する。それでは、それらの面白さを統合して、レッスンと成果発表を両方とも披露する催しはできないだろうか?

例えば、前半は公開レッスン、休憩をはさんで後半は研究発表コンサートにするのだ。レッスンのセションでは、しっくりいかなかった箇所を何度かやり直し、講師がアドバイスする。欲張れば、観客からの意見や「そこをもう一度」などのリクエストにも応える。その修羅場を乗り越え、休憩時間中にドレスアップし、後半のコンサートで真剣勝負する。(その際、観客はおとなしく聴く。)

このような企画なら、観客も曲の聴きどころを掴み、より深度のある演奏と鑑賞ができるというわけだ。しかし指導者と演奏者の負担(精神面を含め)が相当大きいだろうし、レッスンのセションで演奏者の弱点をさらけ出すというリスクも負わなければならない。これはおおごとだ。

でも企画の意図を明確にして告知すれば、方向性を理解した観客が集まり、技術的問題をつっつくのではなく、演奏者と一緒に作品の素晴らしさを掘り下げてゆくことができるという前向きな催しになるのではないか。そう考えた。

レッスンの場面を観客に見せるということは、料理に例えるとレストランに来た客を厨房に案内してじっくり観察させ、出来上がった料理を味わってもらうということに相当する。手の内を見せるということは、このように重大なことだということはわかる。と同時に、その面白さ、楽しさの一部でも観客が享受できないだろうか、と考えたのである。

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コメント

昨日は、お忙しい処、御足労かけしてどうも有り難うございました。
なかなか学生の時は、伴奏のレッスンというのがなかったので、勉強になっています。
この講座は、第1回目が1楽章(5/15)、2楽章(5/22)、3楽章(5/29)という日程&内容になっていて、一般の方も聴講(¥1500)できるようになっています。室内楽&伴奏法もここ最近増えていますよね。作曲家&ピアニスト野平一郎先生の静岡AOI館の「伴奏法講座」等、こちらは受講生が優秀な方ばかりですが、その中でアナリーゼや曲についての認識や研究もするようです。
色々な演奏家と共演する事を学んでいくので、テンポについては、ご指摘ありますね!!

makikoさんお疲れ様でした。そうか講座も有料で聴講できたのですね。次回は聴講+発表コンサートのダブルセションで本格的に冷やかそうかな。

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