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2012年4月 1日 (日)

横浜市イギリス館 サロンコンサート

仲間と組んでいるアマチュアの弦楽四重奏団「クワトロ・ロッソ」の一員として「サロンコンサート」(横浜市イギリス館)に出演した。

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去年から今年にかけてベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全曲演奏するという無謀な企てを実行中で、今回は第11番「セリオーソ」および第9番「ラズモフスキー第3番」を取り上げた。「厳粛と快活:青年期の揺れ動き」という洒落た副題を付けたのだが、言葉がカッコ良すぎて私たちの腕と釣り合いが取れていたかどうか?その点が気になったまま演奏を終えてしまった。

そして今回嬉しかったのは、私の久々の新作「ポリフォニー工房」を初演できたことだ。

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これはバッハの「音楽の捧げ物」と「フーガの技法」に触発されて作ったもので、対位法の技法を用いて作った7曲をまとめて曲集にしたものだ。旋律やその展開などすべて私のオリジナルである。しかしスタイル、作風としてはバッハの影響が強いことを認めざるを得ない。私としてはスタイルや作風の面においてもオリジナリティを持ちたいと思っているが、現段階ではまだ達成していない。

美術に例えれば、若い画家がセザンヌの影響色濃い絵を描いていたとする。その画家は自分自身でその状況をよしとせず、自分独自のスタイルを目指して相違工夫を続け、キュビズムのような新しいスタイルを確立したとする。私は音楽において、そのような状態を目指したいのだ。しかしこれは非常に難しいことだ。一生のうちに達成できるかどうかわからない。

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今回力を入れたのは「4つの主題によるフーガ」だ。これはバッハの「フーガの技法」第19番(未完のフーガ)が完成した状態をイメージしたもので、最後に4つの主題が同時に鳴るという仕掛けだ。この曲は何年も前から構想を練っていて、今回ようやく完成したもので、肩の荷がおりた感じだ。

前述したように、これはオリジナル作品ではあるが、ちょっと聴くだけでバッハの影響が明白にわかってしまう。今回は一つの節目と考え、いずれ自分独自のスタイルによるポリフォニー作品を発表したいと思う。

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実は10年ほど前、バッハとは全く異なるスタイルでポリフォニー作品を作り初演したことがあった。「弦楽四重奏の為のプレリュード」という曲で、モノフォニーの部分もあるが、前半と後半に本格的なフガートを2つ配備したものだ。

しかしその音構成においては、メシアンが考案した音階を用いた。それでバッハから離れることは出来たが、メシアンのスタイルを真似たという事実は残っている。だから自分のオリジナルスタイル確立というわけではなかったのだ。

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今考えているのは、メシアンなどの方法をヒントとして、自分独自の音階を考案し、その技法でポリフォニー作品を作るという計画である。比較的実現性が高いのは、既存の教会旋法をいくつか選んで組み合わせるという手法だ。これは「ポリモード」というような呼称で既に行われていると思う。そこにいかに独自性を注ぎ込むかが勝負になる。大変だが、何とかして形にしたい。

次回の「クワトロ・ロッソ」のコンサートではベートーヴェンを3曲演奏するので、時間的にも自作を割り込ませる余地がないと思う。逆にその時間を利用して、その次あるいはさらに先のコンサートで披露できる曲を作りたいと計画を練り始めた次第である。うーむ、大変だ。

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