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2012年2月18日 (土)

長谷川三郎展

「第11回 藤沢市30日美術館 長谷川三郎展」(藤沢市民ギャラリー)に行った。

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長谷川の父は商社マンであり、芦屋の洋館に住み、幼少の頃からイギリス人に英語を習ったという。西欧の文化になじむ環境が整っていたわけだ。一方、学業優秀だった長谷川は東大の文学部・美学美術史学科に入学し、卒業論文は東洋的な研究対象として雪舟を取り上げたという。そして後年、彫刻家イサム・ノグチとの親交を結ぶ。

このようなバックグラウンドがあれば、長谷川が展覧会の副題「日米をつないだ東洋的モダニズム」の作家となっていったのは極めて自然なことであろう。そして長谷川の作品がどことなくイサム・ノグチを想わせるのもうなずける。

チラシの下の写真「無題」(紙、拓本)は廃船の板を利用したものだが、その構成感はとても心地よい。

「水族館にて」は水墨画に水彩で色を施した作品。東洋的であり、かつドローネーの円環作品のような西欧性も併せ持っている。素晴らしい。

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「新聞コラージュ」は片手間に作った作品であろうが、西洋的な構成美をたたえた楽しい作品だ。神戸の母校・甲南学園が所蔵している。同校の生徒は長谷川を誇りに思っていることだろう。

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長谷川はニューヨークに10カ月滞在し、帰国後再びカリフォルニア美術工芸大学からの招聘で渡米する。しかし癌のためサンフランシスコで客死。まだ50歳の若さであった。長谷川がもっと長く生きたらどんなに素晴らしい作品を残してくれただろう。誠に残念でならない。

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