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2012年2月 4日 (土)

Domani・明日展

「Domani・明日展 未来を担う美術家たち」(国立新美術館)に行った。

2012_domani__2

毎年楽しませて戴いている展覧会であり、今回も期待通り得るものが大きかった。またギャラリートークで8人のベテラン陣の自作解説も聞くチャンスがあり充実した時を過ごした。

まずは今回の在外研修・成果発表者の展示に対する感想から:

♪山口牧子
展示作品がみな好ましく思えた。色彩も構成も無理がなく、心地よい響きを感じた。実際には鳥を描いていたのだと思うが、鳥という対象を持つ具象絵画としても、純粋抽象絵画としても、どちらの観かたを採っても成り立つ作品群であった。

「Bird Joy」の連作はNo.1から8までが並べて展示されていた。これらの中から1つを単独で観ても美しいし、8作品が並べられた全体構成として観ても楽しいものであった。

2012_domani__bird_joy

♪横澤 典
チラシ(上を参照)には「Lexington Avenue」の一部が紹介されていた。ニューヨークのある一画の街路樹をすべて撮影し、短冊状にトリミングして配列させたものだという。これが美しかった。

このようなアイデアは、いかにもありそうであり、実際多くの人が試みていると思う。言ってみれば「月並みな手法」であるはずなのだが、並外れて美しいからには何か秘密があるのかもしれない。それは写真の上手さなのか、それとも・・・。

♪塩谷 亮
ホキ美術館にも収蔵されたリアリズム絵画の作家である。以前私はこの分野が苦手であったが、昨年 磯江 毅の個展を観てから無視できなくなっていた。

塩谷 亮の作品は女性が美しく描かれ、それだけでも嬉しくなる。ところが作品をよく観ると、細かいところに仕掛けが施されているようだ。そのために、単なる写実ではなく、一種の心象風景のようにも思えた。

ただしここで「心象風景」と言ったのはカラスが登場するような暗いタイプではなく、あくまで明るい雰囲気の中でのことだ。

例えば「静」では、室内の観葉植物が本来植えられているであろう植木鉢から外され、根が鉢の形に固まった状態で描かれている。

2012_domani__

この他にも、「朝の情景」では、モデルの女性に対し脇に置かれた葉が異様に巨大で、相互の比率が現実離れしている。「初夏」では、モデルが腰掛ける椅子があえて半開きのドア横の狭い所に置かれ、部屋から廊下に抜ける動線を邪魔している。また「明日」では、一見鏡の前の女性像に見えるが、鏡なのか絵なのかよくわからない不思議さがある。

塩谷 亮の作品の特徴をあえて一言で表せば、「微細なる異常性が介入した、陽光を受けた明るい風景」という事になる。これをさらに言い換えて「明るい心象風景」と呼びたくなったのである。

次にベテラン作家について。うち8人の作家はギャラリートークで自作に関する談話を提供してくれた。

♪内田あぐり(トーク参加)
以前、横浜市内の某店で内田あぐりの親類にあたる人と話をしたことがあった。その事を伝えようと思ったのだが、人気作家らしくトークの後は鑑賞者に取り巻かれていたようなので話しかけるのを断念。平塚市美術館での展覧会以来、作品を好むようになっていた。

♪田村能里子
既に高名だが以前から好きな画家だった。つい先日も横浜みなとみらいホールに行ったさい、エントランスの壁画に挨拶したばかりだった。

♪北久美子
「美術アーカイブ:1978年(5)北 久美子作品展」で以前観た心象風景を回想した。その後画風が変わり、塩谷 亮への感想と似てくるが、「明るい心象風景」になってきたのかなと思っていた。今回、北久美子の最近作「風の宴」を初めて観てその感を強くした。達者な画家なので題材やトーンがどうあろうと、インパクトのある作品を産み出せるのだろう。

この展覧会は来年も楽しみだ。

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