日本の映画ポスター芸術
「日本の映画ポスター芸術」(東京国立近代美術館フィルムセンター展示室)に行った。
「交差する《シネマ×絵画×グラフィック》というサブタイトルがこの展覧会の趣旨をよく物語っていると思う。《グラフィックデザーナー》が《シネマ(映画)》を題材にした《絵画》に取り組んだ成果が、すなわち映画ポスターだというコンセプトだ。
このコンセプトは、単に机上の空論ではなく、「日本アート・シアター・ギルド(ATG)」において若手デザイナーがポスター制作に起用された形で実際に具現していたという事が素晴らしい。
私は以前より宇野亜喜良、粟津潔、河野鷹思、和田誠、久里洋二といった凄腕デザイナーの作品が好きだった。また真顔で「好きです」とは言いにくい雰囲気があるのだが、横尾忠則の個性とセンスにはいつも感心していた。今回あらためて彼等の作品をまとめて鑑賞する機会を得て嬉しかった。
成果はもう一つある。常設展で観た荻野茂二の「AN EXPRESSION(表現)」と題された9.5mmの短編映画のビデオである。これが何と完全抽象なのだ。制作は1935年。カンディンスキーが抽象絵画を打ち出したのが1910年頃。それから四半世紀しか経っていない時に、この日本で映画の抽象作品が作られたことが驚きだ。
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