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2011年10月17日 (月)

横トリ:黄金町-安部泰輔の「アカイクツヲハイタネコ」

2011年10月15日(土)

黄金町バザールのアーティストとアート作品の背景には様々なコンセプトが絡んでいる。この地に一定期間だけ滞在して制作するアーティストの場合は「アーティスト・イン・レジデンス」であろうし、「NIGHTLESS-1」の田村友一郎の場合は既に書いたように「インスタレーション」という具合である。

それでは「アカイクツヲハイタネコ」の安部泰輔の場合はどうであろうか。

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安部は黄金町の住人から譲り受けた古着を裁断し、縫い合わせることによって猫の人形を作る。安部の滞在期間が限定されているなら典型的な「アーティスト・イン・レジデンス」ということになろう。

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「アカイクツヲハイタネコ」は、もちろん野口雨情作詞・本居長世作曲の童謡「赤い靴」をベースにしたキャラクターだ。「赤い靴」が作曲されたのは1922年(大正11年)、今から89年も前のことだ。このような歴史の厚みを背負うとなると、「サイト・スペシフィック」の概念も入っているように見える。

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そのコンセプトの裏打ちにより、安部は「アカイクツヲハイタネコ」を発信する。ある場所から人が発信するものは様々である。電子メールも発信されるし、もっと広く「情報」も発信される。リモコンを操作できれば鉄人28号も発進できる(字が違うか)。

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発信された「アカイクツヲハイタネコ」は、通常はその「サイト」の外側へ出てゆく。相方も1体買い求めたが、彼の住まいは横浜市内だ。

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でも黄金町からは遠い街なので、「外部」と考えてよいだろう。このようにして、アーティストがそのサイトで産み出した作品は外部に離散し、その先々に作者の思いを届けるのである。

つまり1体の猫の人形は、触って存在を確かめることができる物体であると同時に、アーティストの考えや思念を伝播させる役割を担った媒介といえよう。

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