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2011年8月 5日 (金)

藤島武二・岡田三郎助展 女性美の競演

2011年8月5日(金)
「藤島武二・岡田三郎助展 女性美の競演」(そごう美術館:横浜)に行った。

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正直なところ、この展覧会に行った動機はチラシにも採用された藤島武二の「婦人と朝顔」に会いたかったに他ならない。整った知性的な顔立ちだが、同時にほのかな色香も漂う、そんな理想的な女性像だ。何度観てもいいから、音楽ライター・ハシビロコウさんに送る絵葉書をアップしよう。

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今回の展覧会のように二人の作家の作品を並べて展示すると、両者を比較してみたいという欲求が呼び覚まされる。そして好みがどちらかに傾いた場合は、その作家を擁護したくなるのが不思議だ。

率直に言うと、チラシの下に紹介されている「あやめの衣」を観てわかるように、肌のキメ細かさやうなじのあたりの色気などに関しては岡田三郎助のほうが一歩先んじているように思える。岡田は若い頃から晩年まで描き方があまりブレないで進んでいったように見える。

これに対して藤島武二は西洋絵画の様々なスタイルを試みたりして、自分自身のスタイル確立に悩み、試行錯誤を繰り返したような感じがする。それだけで比較すると、岡田作品のほうが安心して観ていられるという結論になる。

しかし私が惚れ込んだ「婦人と朝顔」は藤島の作品であった。こうなると私としては、岡田の描き方の素晴らしさを実感していながらも、藤島の肩を持ちたくなってしまう。このあたりが人間の弱いというか、不思議なところである。

そして結局、惚れた弱みで藤島に軍配をあげてしまう自分が滑稽に見えてくる。それでも「婦人と朝顔」はいいなあ。ついでに半券もアップしてしまおう。

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コメント

絵はがき、ありがとう。いつもジョヴァンニさんのアート探訪を拝見していて、日本の美術展のレベルの高さを感じているのですが、今年、ここ最近のものは、とりわけ秀逸なものを感じます。バブリーな時代の、評価の定まった世界的な名作が所狭しと並べられる展覧会も当然見応えありますが、よく選択された、企画力にとむ、いい展示が続いているように思えています。
この藤島武二、岡田三郎助も、半券に並んだ2作品を見るだけでなにか意図がありそうな、いかにも学芸員の方がやってみたかったのだろうな、と思える面があります。ジョヴァンニさんも触れているように、まったく異なったアプローチながら日本女性の美しさを、この2作品は奏でているように感じますから。

ハシビロコウさん、コメントありがとうございました。作家の比較対象で印象深かったのは2008年に東京国立博物館で開催された「対決 巨匠たちの日本美術」でした。これは迫力があったなあ。

今回の展覧会も「対決」型ですね。そしてその企画はハシビロコウさんのコメントにあるように、学芸員さんが「やってみたかった」のでしょう。やりたかったから、自ずから熱がこもり力が入る。それがいい展覧会を作ってゆくのでしょうね。

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