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2011年7月31日 (日)

磯江 毅の遺作展

2011年7月30日(土)
「磯江 毅 = グスタフ・イソエ 真実の写実絵画を求めた画家の遺作80点」(練馬区立美術館)に行った。

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日頃より抽象を愛好し具象に目を向けようとしない私みたいなコチコチの抽象ファンでも磯江の作品には感動した。すごいものを観てしまった。

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音楽ライター・ハシビロコウさんには「薔薇と緑青 Ⅰ」の絵葉書を送ることにした。

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この作品を試しに純粋な抽象作品と捉えて説明してみると、次のようになる:

『黒地に黒い円が描かれ、緑の対角線がスっと通り、その一端には赤い不定形のものが3つ4つ置かれている。また対角線の途中で円の中心付近からは緑の三角形状の図形が張り出ている。これらの図形の形状の対比、および色彩の対比(赤と緑の補色関係)で動的な衝動が生まれるが、それらを円環が取り囲んで沈静化し、画面全体に落ち着きをもたらしている・・・』。

何が言いたかったかというと、画家が志と技術を突き詰めれば、スタイルの違いには関係なく、「突き抜けた」普遍的な領域に到達するのではないか、という事である。

ところで私は「半券の復権」シリーズで昔の展覧会の半券について書くことがある。今回の展覧会の半券が「復権」するのはだいぶ先のことになるから、併せて触れておこう。

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展覧会の中にはチラシと半券のデザインが全く同じものもある。それに対してこの展覧会では、チラシは白くて丸い皿の上の鰯(いわし)、半券は黒に近い灰色の長方形の地に裸婦である。どちらも磯江の代表的な作品だが、形状・色調において反対の性格を持つ作品を選択してチラシ V.S. 半券で対比させたのではないかと思う。この試みは面白い。

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この展覧会は遠かったが、行っておいて良かった。

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コメント

絵はがき、ありがとう。凄い作家ですね、アートの根源そのもの、自身の存在をかたちにする、という意思を感じます。ジョヴァンニさんがご指摘しているように、写実とか抽象という範疇をはるかに超えている作品と思います。

ハシビロコウさん、コメントありがとうございました。こういう作家と作品を知ってしまうと「私は抽象ファンです」と言えなくなってしまいます。「構成感がある」あるいは「表面的には見えづらいが構成への思い入れが底流となっている」というような表現に切り替えたほうがいいかもしれません。いずれにしても、磯江はすごい作家ですね。

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