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2011年7月 6日 (水)

パウル・クレー おわらないアトリエ

2011年7月6日(水)
「パウル・クレー おわらないアトリエ」(東京国立近代美術館)に行った。またまたおなじみF君から貰った招待券を活用したのだ。F君、最近多くの展覧会にタダで行けて嬉しい。感謝してるよ。

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クレーともなると、学芸員をはじめ関係者に力が入るのだろう。チラシと半券を全く異なるデザインにするあたりにその意気込みが感じられ、これも嬉しい。

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今回は「制作過程」に重点を置いた企画ということだった。私は一般的に制作過程に関してはあまり興味がない。しかしクレーの場合は、制作のステップそのものにリズム感があり、音楽的要素があるので特別だ。

例えば素描と彩色された作品の両方を対比させ、どちらも作品として独立しており、かつ素描は彩色された作品の下絵としての機能も果たしているという話は面白い。

今回の展示で最も好きだった作品は、過去に何回も観た「ゲルストホーフェンの回想譜」だ。音楽ライターのハシビロコウさんへの絵葉書はこれで決まり。

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この作品は淡く彩色されてはいるが、本質的には線刻の美しさが中心である。私のクレー好きは、結局クレーの線描に端を発している。だから今回展示された中でも「満ち潮」、「水門での動き」などモノクロームの線画に最も惹かれるのだ。

クレーは線の構成からスタートし、色彩に関しては「オクテ」だった。でも私が線刻にこだわるのは、クレーが色彩で出遅れたからではない。遅く学んだといっても、結果的にクレーの色彩はそれなりに一つの世界を形成しているから。そうではなく、ただ単純にクレーの線の構成が好きだというに過ぎない。

なぜクレーが好きかという点に関して論理的な説明は難しい。みっともないが「好きだから好き」ということになる。幻想小説家レイ・ブラッドベリがなぜ好きかと質問されても同じ答えを言うであろう。ホラー小説家H.P.ラブクフラフトもしかり。バッハは・・・音楽については説明できると思うが、この記事から脱線しすぎるので別の機会にする。

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コメント

私も今回の作品では回想譜が一番好きですね。そういえばジョヴァンニさんの描かれるスケッチはクレーっぽいですね。
会場の動線も意外性があり、出品リストにある平面図はまるでクレーの絵のようでした。

そうなんですよ。会場が迷路みたいで(苦笑)。1番が2カ所にあったり、トリッキーでしたね。

このような配置に関し、テツさんと私はもちろん賛同派になるでしょうけど、鑑賞の順番がよくわからないというクレームが出たんじゃないかな。

でも企画担当の方の意欲的な取組みをほめたいですね。多少のリスクを怖がるより、面白さ・楽しさ優先で追求して欲しい。そういう意味で企画が良かった。

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