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2011年5月11日 (水)

音楽アーカイブ:小学校高学年~冬の旅

小学校高学年の頃、父親が買ってきたシューベルト「冬の旅」のレコードを好んで聴いていた。そのレコードには楽譜が付いており、私は愛する「ホルゲル」でピアノ伴奏譜を毎晩のように弾いていた。小学生の技術だから難しい曲は弾けない。第1番「おやすみ」など、ゆっくりしてピアノがあまり動かない曲に限定されていた。

私は「冬の旅」とその作曲者シューベルトが、いわゆるクラシック音楽の中でも最高なのではないかと勝手に思っていた。しかしその考え方が異常で、恐らく世界中でこのような育ち方をした人間は私一人ではないかと思うぐらいである。

それはなぜかと言うと、私はシューベルトの歌に魅せられていたのではなく、歌とピアノの織り成すポリフォニーの世界に浸っていたのだ。例えば第4番「かじかみ」(当時は弾けないので聴くだけ)は歌がメロディー、ピアノの左手がそれを支えるバス、あるいは時にオブリガートとなって構成されている。

(後年気がついたのだが、右手の三連符は時に変化して第3の声部を鳴らすこともある。すると3声のからみが生まれるわけだ)。

いずれにしても、これはバッハのポリフォニーの世界である。ポリフォニーの味わいを、バッハではなく先にシューベルトに見出してしまったというわけだ。これは異常としか言いようがない。

私はピアノのレッスンではなかなか上達せず、バッハのインベンションは中学になってやっと始めたらしい。もしインベンションを小学校で手がけていたら、シューベルトでポリフォニーの世界に入るという異常性を回避できたであろう。

ポリフォニーとの出会いは私の音楽に対する探究心に火をつけてしまった。そのため、それ以降私の関心は絵から音楽にシフトしてゆくのであった。

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