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2011年5月28日 (土)

美術アーカイブ:1977年(1)ミュンヘン近代美術展

「ミュンヘン近代美術展」(東京都美術館)は「カンディンスキーと栄光の青騎士たち」というサブタイトルが示すように青騎士に特化した展覧会であり、当時としては画期的な企画だったと思う。

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この「青騎士」という名がまだ日本で耳慣れなかったこともあり、そのキーワードでは集客ができないと当時の関係者は考えたのであろう。だから(不本意だったかもしれないが)サブタイトルに降格させたのだと推測する。

それに対して、2006年にニューオータニ美術館で開催された「青騎士の画家たち」は展覧会の名称に直接「青騎士」という言葉を用いている。「青騎士」が市民権を得ていた証拠だと思う。2つの展覧会の間には30年近い年月が経過しているのだが、その間に「青騎士」というキーワードを掲げた展覧会はほとんど開催されていないのが不思議だ。

「ミュンヘン近代美術展」は絵葉書も充実していた。年刊誌「青騎士」の表紙を飾ったカンディンスキーの木版画はいつ観ても吸い寄せられる。抽象絵画のカリスマに内在する磁場のようなものであろうか。

Photo

「青騎士」にはキュビズムのテイストもある。フランツ・マルクの「牝牛のいる絵Ⅰ」を観よ。

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キュビズムより若干オルフィスムに近いのはアウグスト・マッケの「橋の上の散歩」だ。広い意味でキュビズムに分類してもよいのかもしれないが。

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幻想絵画を求めるなら、フランツ・フォン・シュトゥックの「罪」がある。うーむ、これは罪そのものに見えるなあ。

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ご本尊カンディンスキーは「コンポジション7のための習作(画稿2)」が展示されていた。さすがご本尊、習作でも大きな展覧会に出展されてしまう。

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この展覧会は私にとって最初の、そしてずっと記憶に残る「青騎士」の展覧会であった。

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