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2011年5月29日 (日)

美術アーカイブ:1977年(4)ピラネージ版画展

「ピラネージ版画展」(神奈川県立近代美術館:鎌倉)は素晴らしかった。

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高価だったが、2.5センチもの厚さの図録を迷わず購入した。ピラネージといえば牢獄を連想する。図録の表紙に採用された版画も「牢獄 Ⅴ」。最低階には放し飼いにされたライオンが描かれ、恐怖感をあおっている。

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しかしピラネージの版画の魅力は牢獄だけではない。この幻想的な光景を観よ!これは「ローマとアゲル・ロマーヌスの墓所記念物の廃墟」。一点透視と空気遠近法の両方を駆使してこのようなインパクトのある風景を描き出している。

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建物の内部・外部だけでは飽き足らなかったらしく、ピラネージは航空写真ばりの空から見た都市を描いている。これは「カンプス・マルティウスの大地形図」。当時は飛行機が無かったはずだが、どうやって描いたんだろう?

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科学技術への貢献もしたらしい。これは「アックワ・ジューリア城の水槽と水源の図示」。このように土木工事のための断面図でさえ、芸術作品としての一面を持ち合わせている。ただ眺めるだけでも充分美しい。

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そしてこれは「ウィトルーウィウスの万力類」。工具をこのように並べるとリズム感・構成感が生じて興味深い図柄になる。この版画を観て土木関係の仕事にあこがれた若者もいたのではないか。

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並べると美しいのは貝も同じ。これは「さまざまな貝殻の写生」。これは楽しい。

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このようにピラネージの版画は個性に満ち溢れている。巨匠は何をやってもサマになる。

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