音楽アーカイブ:高校2年~「フーガの技法」との出会い
高校2年に進級するといろいろな意味で変化が起きた。最も重要なのはバッハの「フーガの技法」との出会いであろう。楽譜店「アカデミア・ミュージック」に行って演奏する曲を物色していた時、偶然小型スコアを見つけ、その場で凍り付いてしまったのだ。その譜面の美しいこと!財布は豊かではなかったが、迷いなく買い求めた。
すぐにでも演奏したかったが、パート譜が無い。そこで小型スコアから一生懸命パート譜を起こした。パート譜作成には時間がかかるので、最初に譜面を起こした第1曲をしばらの間弾いていた記憶がある。この曲を知ってしまい、もうこれで古今東西の最高峰に到達してしまったと思った。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」に出会うまでは・・・。
高校では「文化祭」が行われる。弦楽合奏のクラブも演奏を行ったが、部長になった私が独裁的にこのバッハ「フーガの技法」とフォーレ「弦楽四重奏曲」というマニアックな2曲を選曲してしまった。そのため、私たちのコーナーには最初お客が沢山いたが、途中で大半の人がつまらなそうに出て行ってしまった。まったくこれは独善の世界である。
そしてピアノのおけいこ発表会。幼稚園から始めたにもかかわらず上達が遅いため、選んだのはベートーヴェンの「悲愴ソナタ」。私は受験のため高校2年でピアノのレッスンをやめたので、これが私の生涯最高の技巧レベルとなった。それから後は下降線である。現在私が「世界で最もブルクミューラーが似合う男」というのはこのような背景による。
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