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2011年4月 3日 (日)

第30回選抜奨励展

「第30回 損保ジャパン美術財団 選抜奨励展」(損保ジャパン東郷青児美術館)に行った。毎回楽しみにしていて、期待通り満足して帰るという嬉しい展覧会だ。地震のため休館期間があり、予定した日に行けなかった。そのためこの展覧会も最終日に滑り込みとなった。

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♪川島信一の「BIRTH」はトロンプ・ルイユ的かつ幻想的で気に入った。このタイプの作品は、現代ではもはや新奇性を売りとすることはきないだろう。しかし逆に、既に古典化したともいえるこのジャンルにおける膨大な作品群の中で、目にとまるだけの個性をこの作品は発していると思う。描き方は堅実で、特に変わった点は感じない。その個性はどこから出てくるのであろうか。

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♪辻久美子の「太陽と木のはなし-page Ⅶ¬」(受賞作品は「太陽と木のはなし-page Ⅳ¬」)は具象でメッセージ性が強く金ピカという私が好まない特質を持っているにもかかわらず、その魅力に圧倒された。その理由はわからない。線と色彩が巧に構成されているので、抽象画に接する目で鑑賞してもそれに耐えうる作品に仕上がっているからだろうか。

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♪工藤明俊の「セピアの瞳」は楽しい。都会的センスと田舎の牧歌的おおらかさがミックスされた魅力を放っている。渦巻き状の構成も、また郷愁を誘う作品の魅力を引き出しているように見える。モノクロームの世界なのに、不思議と色彩感を感じるのは私だけであろうか。

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♪加藤雄太の「旅する舟のように」はシンプルだがその色彩の美しさに惹かれた。作者自身は「深く、強度を持った作品」を志向しているそうだ。画面全体が静かなので、「強度」というイメージに遠いように思ったが、逆にしなやかな強さがあるのかもしれない。

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その他にも観て楽しい作品が多かった。損保ジャパン美術賞を獲得した♪鈴木愛弓の「ゆく道は金木犀の香り もうすぐ冬が来る」は審査員がこぞって高得点を付けたということ.だが、素人の私にはその良さが理解できなかった。技術的なことなどを含め専門的な視点が無いからだろう。♪流麻二果は既に評価が定まった画家だと思うが、今回の「地鳴り/Call Note」も抽象と具象の間を行き来する不思議な空間があった。♪多田知史の「歩哨の恋(3)」は楽しい作品だ。どこか藤城清治の切り絵に似ている感じがする。しかしアイデアと描き方は個性的だ。

今回も楽しめた。次回も期待を裏切らないであろう。

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