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2011年4月18日 (月)

美術アーカイブ:1975年(1)シュルレアリスム展

♪シュルレアリスム展(東京国立近代美術館)
この展覧会は私のシュール好きを決定的にしたことで特別の思いがある。先日行ったばかりの「シュルレアリスム展」(国立新美術館)より36年も前の企画なので内容の充実度という観点では見劣りするが、受けたインパクトは大きかった。

強い印象を残してくれたのは、ブルトンの2番目の妻ジャックリーヌ・ブルトンの「帰結のバー」という水彩画だ。

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この絵に説明は不要だ。イマジネーション、フォルム、構成感のどれを取っても素晴らしい。こんな才覚を持った女性と結婚したら、才能あるブルトンとの間で火花を散らしたに違いない。その証拠に二人は分かれてしまった。

画面左下に描かれたガラス壺の中のグラスの表現に惹かれた私は、それを真似てペン画を描いた。しかし、あまりにも下手なので画像は載せないことにする(苦笑)。

当時ではなく、今この展覧会を振り返って思うのは、ローランド・ペンローズが参画した意義である。ペンローズ自身の作品「ヴァレンティーヌの肖像」も展示されていた。ちなみにこのアーティストは「ペンローズの三角形」で有名な数学者とは別人である。

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しかし意義あると思うのは作品より図録に掲載された序説「シュルレアリスムの誕生と成長」である。シュルレアリスムがどのようにして始まり、どのように発展したかという事に関し、優れた説明文になっているからだ。単に事実を列挙するのではなく、シュルレアリストたちの気持の高まりにまで踏み込んだ記述になっている。

また「日本におけるシュルレアリスム」というコーナー我国におけるシュルレアリスムの取り込み方を知るうえで貴重な企画だったと思う。そこには靉光の名作「眼のある風景」も展示されていた。ところでこの作品は1970年に鉄パイプを持った暴漢によって損傷を受けたはずだ。事件の5年後の展示なので、修復がどの程度進んでいたのだろうか?あいにく私の記憶からは欠落している。

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