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2011年4月18日 (月)

美術アーカイブ:1975年(2)デルヴォー展

♪「ポール・デルヴォー展」(東京国立近代美術館)は、それまで興味があったが作品に触れる機会が少なかったデルヴォーの作品をまとまった形で鑑賞できたので意義があった。

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最も印象深かったのは「こだま」という作品だった。

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この作品からは人間性を剥奪されオブジェのように化身した裸婦というデルヴォー独特の不思議な世界を味わえると共に、同じポーズを取った3人の裸婦が生み出すリズムも楽しめる。簡素なたたずまいながら、私は今でもデルヴォーの作品の中でこの1点を最も好む。

これは後で思ったことだが、裸婦の生気のなさは遠くアングルに繋がるような気がする。そういえばセザンヌはアングルの裸婦を「血の気がない」と評したではないか。その延長線上である。しかし、それがまたデルヴォーの良さなのかもしれない。その現実離れした描き方によりエロスの面が強調されず、裸婦を描いても上品さが損なわれないからだ。

一方「こだま」の反復形態はクプカの「沈黙の道」に反復される石像を想起させる。

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全く同形の反復というのは自然界の動植物ではほとんど見られない。例えば人間は一人一人異なる顔を持っているし、並木の桜は1本1本異なる形状をしている。だから同形反復がある種の不安感を想起させるのだと思う。

このように、様々な楽しみ方がある展覧会であった

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