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2011年1月14日 (金)

New Year Concert 2011 ともよあずさ

2011年1月13日(木)
「New Year Concert 2011 ともよあずさ」(横浜みなとみらいホール 小ホール)に行った。堀部ともよ(ピアノ)と中村 梓(マリンバ)による女性二人のユニットで、毎年楽しみにしているコンサートだ。

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事前にチラシを見た段階で期待することが2つあった。その一つは一柳 慧(いちやなぎ とし)作曲 マリンバとピアノのための「パガニーニパーソナル」、もう一つはフランク作曲「前奏曲、コラールとフーガ」だ。

♪一柳 慧は1933年生まれで、三善晃と同年、武満徹の3つ年下だ。彼等は私たちが親しんだ1970年代の「現代音楽」をリードする作曲家たちだ。今回演奏された曲は、マリンバがパガニーニの主題を奏している間、ピアノはその音にまとわり付くように和音を添えるなど独特の響きを作っていてなかなか面白い曲だった。余談だが、一柳 慧は一時期あのオノ・ヨーコと結婚していたのだ!

♪セザール・フランクは私が最も敬愛する作曲家のうちの一人だ。そして今回演奏された「前奏曲、コラールとフーガ」はフランクの曲のみならず、古今東西のあらゆるピアノ独奏曲の中で最も好きな曲の一つだ。それだけに期待感が大きかったが、堀部ともよは見事な演奏で期待に応えてくれたので嬉しかった。

♪ジョセフ・シュワントナーについては何も知らなかった。今回演奏された「ヴェロシティーズ」は細部を一つ一つ拾い上げれば、七、九の和音等が分散和音の形で連なっているだけである。しかしその配列に工夫のあとがあり、不思議と飽きがこない曲に仕上がっていた。
バルトークも「現代でもハ長調で音楽が書ける」と言ったように、無調だけが現代音楽ではない。この曲は、既存の技法でも上手に使えば現代の聴き手にもアピールするものができることを示したと言える。現代の音楽における作曲技法上の「閉塞感」を打破するには、こういう形を採るのも一法だろう。
ところどころで聴こえたフラジオレットは実に効果的に響いていた。中村梓の緩急自在の演奏が光った曲であった。

今回は、一柳やシュワントナーの作品を取り上げるなど意欲的なプログラムだったと思う。演奏者の二人に拍手を送りたい。

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