ブリューゲル 版画の世界
「ブリューゲル 版画の世界」(Bunkamura ザ・ミュージアム)に行った。
人気で混雑が予想されたので、当初は平日に会社を休んで行こうと思っていたのだが、いろいろな事情で結局週末になってしまった。10時オープンに少し遅れたら、最初の展示コーナーではもう列が出来ていた。
ブリューゲルの版画のどこが好きかというと、私は正直なところボスの流れをくむ怪奇幻想趣味の作品群を第一に挙げたい。今回もそれらが観たくて行ったようなものだ。上に貼り付けたチラシに採用されたのは「聖アントニウスの誘惑」。このあたりが代表作かな。
同じ怪奇幻想の流れで「七つの罪源」シリーズも面白い。例えば「大食」(チラシの裏面よりスキャン:以下同様)。
この対極に位置するのが「七つの徳目」シリーズだ。賢明なほうがいいですよ、正義感を持ちましょうね、節制を心がけましょう、希望を持って生きましょう・・・というような教義が7つ並んでいるのだ。これってつまらないよね。案の定ブリューゲルの作品もさほど面白くない。
子供の道徳教育を例にとって考えてみよう。教材がこの「七つの徳目」シリーズだったらどうだろうか?望ましい事が描かれているのだが、マジメ過ぎて面白くない。子供たちもあまり乗ってこないだろう。
これに対して「七つの罪源」シリーズを取り上げたらどうだろうか?怪物などの「怖いもの見たさ」で図版を楽しむに違いない。そしてその背後に隠されている道徳教義も多少は頭に入るのではないだろうか。このように「面白い反面教師」を導入することによって教育効果は倍増すると思うのだ。
ここで中学の同期生の美少女(いまは美女)が弁論大会に参加して述べた論議を思い出した。彼女いわく「人間は美しいものと、そうでないものばかり見ようとする」。これは名言だ。私も美しいもの(彼女のような美女)や、そうでないもの(ブリューゲル描く怪物)ばかり見ようとする性癖があるから(笑)。でも、人間は多かれ少なかれそういう特質を持っているのではないだろうか。
そんな事をグルグル考えたが、結論は一つ。ブリューゲルの版画は面白い。
« 絵葉書の世界 その12 | トップページ | 有元利夫展 天空の音楽 »
女優の杉本有美さんは支えたいことも2010年7月に🌕身長は168cmで高いから水色の🩵ブラジャーにパンツは可愛い💕
投稿: parallel universe | 2025年6月21日 (土) 18時37分