« 歌川国芳–奇と笑いの木版画 | トップページ | グレンツェン・ムジーク・アンサンブル »

2010年4月23日 (金)

寺田由美 マリンバ&パーカッション リサイタル

「第4回 寺田由美 マリンバ&パーカッション リサイタル」(みなとみらいホール 小ホール)に行った。今回はクラシックの巨匠から気鋭の若手作曲家までの作品が並んでいた。

Photo

♪ダリウス・ミョー作曲「打楽器と小管弦楽のための協奏曲」作品109
看板の多調ではなく、旋律に9,11の和音などを重ねていった感じの作りだった。その分、多調作品よりわかりやすく、親しみやすい作品と言えるだろう。

♪アール・ハッチ作曲「イントロダクションとタランテラ」
プログラムの解説に「当時では斬新・・・」と書かれていたが、現代では古典的に響く。最後近くでカノン風のポリフォニーが鳴って嬉しかった。マリンバで多声を奏するのは難しいと思うが、各声部が明瞭に鳴らされていたと思った。

♪櫛田胅之扶作曲「トランペットと打楽器のための『阿吽』(あうん)」より 序、戯、小唄、快
日本の五音音階をベースに、トランペットとマリンバの間で即興的なやりとりが続けられた。すべての音が譜面に書き表されていたようだが、部分的にでも完全即興を聴きたかった。

♪福田洋介作曲「ときのしずく」
旋律線と和声を渋くまとめようと努力した跡が感じられた。それは好感を持てたのだが、低俗さを避け過ぎたせいか、全体的に印象が弱かった。惜しい。

♪山里佐和子作曲「三つの朝の情景 “Three Morning Scenes”」
ミニマル・ミュージックの影響が感じられたが、典型的なミニマルというより長いオスティナートの上に他の楽器が乗っかってゆくという書法に見えた。

♪福島弘和作曲「アンネリダ タンツエーリン」
作曲者自身が「冒頭から最後まで一本調子で弾き切る」と解説していた。それを聞いて、最初はラヴェルの「ボレロ」のようなイメージを抱いた。冒頭が弱奏だったので、曲の最後に向かってただ一つのクレッシェンドがあるのかな?と思った。しかし実際は途中でいったん終始し、間をあけてから仕切り直したり、結構変化に富んでいた。

♪高橋宏樹作曲「『宝島への地図』打楽器四重奏のための」
機能和声で明瞭に旋律を鳴らしていたので通俗的な書法だった。多くの人に広く親しみを持ってもらうというミッションのもとに、このようなスタイルで書いたのではないかと思う。

♪田嶋勉作曲『鳥獣戯画 第2番』打楽器六重奏曲『満月祭』
古典的な書法に半音階的進行や全音音階などの近代的書法を一部取り入れたスタイルで書かれていた。

古今東西の作曲家の作品が一堂に会するのは興味深い。特に現在活動中の若手作曲家の作品に接する機会は貴重だ。良い刺激を得ることができた。

« 歌川国芳–奇と笑いの木版画 | トップページ | グレンツェン・ムジーク・アンサンブル »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/34358238

この記事へのトラックバック一覧です: 寺田由美 マリンバ&パーカッション リサイタル:

« 歌川国芳–奇と笑いの木版画 | トップページ | グレンツェン・ムジーク・アンサンブル »

最近のトラックバック