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2010年2月 7日 (日)

作曲活動のトレース

「サロンコンサート ~冬は五重奏、六重奏で暖かく」の打上げで「上様」が「八景(注)組曲」あるいは「湘南組曲」を作ったらどうかと持ちかけてくれた。作曲活動において、自分のスタイルを模索中だったので、いいきっかけになると思い早速準備を始めた。
注:「八景」は「金沢八景」のこと。私たち音楽仲間にとってゆかりの地である。

今回、自分の創作の過程をトレースしてみたらどうかと思い付いた。つまり最初のアイデア(今回の場合は他人からの示唆)に始まり、紆余曲折を経て完成に至るまでの一部始終を記録してゆくという行為だ。初めに思い描いた内容と最終形が同じか、少し変化しているか、あるいは全く異なるものに変容してしまったかという点も興味がある。そしてテーマとしては、「八景組曲」のほうが面白そうなものが出来そうだったので採用した。

まずは準備ということで「金沢八景」について調べてみた。金沢八景は、かの有名な光圀翁が中国からお坊さんを招き、そのお坊さんが山の上からの眺めを漢詩にして「金沢八景」と名付けたということだ。そして歌川広重などの浮世絵師が風景画として描き、また歌人の京極兵庫高門も金沢八景のうたを詠んだことで、八景の名はますます有名になったという話だ。この材料でどのような楽曲が作れるか?私は次の複数のプランを立ててみた。

♪シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」的なものを理想形とする。
京極高門の和歌を歌詞とし、それを歌手がシュプレッヒゲザングで「歌う」。これにいくつかの楽器を加えて室内楽編成とする。ぜひ手がけてみたい。課題は、シュプレッヒゲザングをこなせる歌手に演奏を頼まなければならない事だ。なお音構成はシェーンベルクが行ってであろう試行錯誤で作る。聴く人を感動に導く音の構成を手探りで追及するのだ。

♪朗読と室内楽の並置とする
京極高門のうたを百人一首と同じような抑揚で詠んでもらい、その背景に室内楽を鳴らす。うた詠みの音高は室内楽のそれと整合性が取れていなくても構わない。

♪日本歌曲を作る
京極高門のうたを繰り返しなどにより膨らませて歌詞とし、室内楽伴奏の歌曲を作る。私は歌作りが苦手なのでこのプランは実現性が薄いが、一応対抗案として考えてみた。

今後、上記のプランがどのように淘汰され収斂してゆくか楽しみだ。

しかし飲み会の席では突拍子もないアイデアが出るものだ。その中で最も面白かったものは「練習記号を駅名にする」というものだ。通常練習記号は A, B,C, ・・・が使われる。それを金沢八景の前後の駅名で代用するというアイデアだ。例えば京浜急行の駅を順番に辿って、「金沢八景」、「追浜」、「京急田浦」、・・・という具合だ。「昨日は汐入までやったから今日は横須賀中央から始めようか」、「ちょっと待て、逸見の合わなかったところを復習しておかないか」、・・・などの会話が練習で飛び交うのは面白い。

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