« 定点観測地点の「影」 | トップページ | 史音(ふみね)の会 vol.3 »

2010年1月17日 (日)

Domani・明日展2009

「Domani・明日展2009」(国立新美術館)に行った。

Domani

♪久保田繁雄の繊維による立体・平面構成は面白かった。ゲットした絵葉書は「Space of the Red I」。

Photo

個人的にはレリーフ的な作品「The Recurrence」(回帰という意味か?)が心地よかった。「教会内部の空間に歩む人間をイメージした。」と作者自身の言葉が添えられている。そのイメージ通り、教会の支柱らしき形状と僧侶らしき形状が交互に配置されている。純粋抽象構成としても味わい深いし、支柱と僧侶のデフォルメを進めた半抽象としても楽しめる。色彩の感じもいい。図録ではその微妙な色調が損なわれているので、やはりこういう作品は実物を観ないと価値が減じると思った。

♪栗本夏樹は漆を塗った木の板に蒔絵と螺鈿を施した作品を発表した。絵葉書は「上杉の胴服Ⅱ」。

Photo_2

個人的にはサイズが小さい作品「上杉裂Ⅱ」と「能装束Ⅱ」(どちらも「ジャパン・シリーズ」)が良かった。四角形や三角形のみで構成される画面。価値を生むのはその色彩とマチエール感だ。これが何ともいえず深い。高級レストランなどの壁面を飾るに相応しい作品群だと思った。

♪浅見貴子は墨絵の発表。ゲットした絵葉書「梅に楓図」は私個人の趣味とも一致して嬉しかった。

Photo_3

墨絵の白黒の世界で独特の世界を打ち出して勝負している。それはどのようにして達成できるのだろう?墨、胡粉、膠、樹脂膠、麻紙などを使用しているのでマチエールが独特だからか?いやそれだけではなさそうだ。「梅」、「楓」という異なる個性の植物をモノクロームの世界においていったん同化させ、再構成しているからか?それらを総合して生まれた作品の新規性を称えたい。

以上が特に印象深かった作家と作品だが、他にも気になる点があったので列挙する。
♪吉仲正直は「「四つめ-裏題「春隣」-」と「詠み人知らず肖像-露拾い-」の2作品が線刻と色彩の両面において印象に残った。
♪呉亜沙の「absence」(不在という意味か?)は集団の中の孤独を感じさせるインパクトがあった。本来私は作品のメッセージ性を嫌うが、それでも無視できない強さがあったように思う。
♪高野浩子は本棚を積んだ巨大なインスタレーションも面白かったが、「旅と神話についての連作」と題されたアクリル絵画の作品群が味わい深かった。

« 定点観測地点の「影」 | トップページ | 史音(ふみね)の会 vol.3 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/163862/33020345

この記事へのトラックバック一覧です: Domani・明日展2009:

« 定点観測地点の「影」 | トップページ | 史音(ふみね)の会 vol.3 »

最近のトラックバック