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2009年11月23日 (月)

散策・まちなかアート

「堀口泰造展」(藤沢市30日美術館)の一環として企画された「散策・まちなかアート」に参加した。雨天中止という案内だったので開催が危ぶまれたが、天気がなんとか持ちこたえたので実施された。

人間とは変わった生き物である。いや私が変わっているのかもしれないが、よその土地については好奇心をあらわにするのに、地元のことにはあまり関心を払わないし、知らない事が多い。その「法則」が今回のツアーで証明された。

以下は見聞した内容の「網羅性」には欠けるが、このツアーがいかに楽しかったかを綴ってみたものだ。

◆作り主の発見を待ちぼうけている石
「奥田三角公園」に着いたら「はっけよい」という木の彫刻作品があった・・・

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・・・というのは嘘で、これは単なる砂場の遊具だった。でも何となく現代彫刻のように見える。いけない、いつもの悪い癖が出た。話を戻そう。

本題はこちらで、「待ちぼうけの石」という作品名が直接掘りこまれている。

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ベンチか何かに腰掛けている人間の尻の形が認められるが、その周りは抽象的な形態で囲まれている。あまり長時間待ち続けたので、体が石化してしまったという物語を具現化したものであろうか?面白い作品だ。

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しかし制作者を示す銘版やサインの類がどこにも見当たらない。誰か自分を作ってくれた制作者を探してください、と待ちぼうけている可愛そうな作品でもある。

◆路上観察応援物体
路上観察はどの街でもできる。この藤沢でも、注意深く観察すると「対象」(これはオブジェと読む)はいくらでもころがっている。

これは「待ちぼうけの石」のある「奥田三角公園」に向かう途中にある風化した標識。

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道路から少しそれた所に立っているので、まるで「窓に入ってはいけません」と訴えているようだ。これは立派なトマソン候補だ。

路上観察の定番の一つであるマンホールの蓋も健在だ。昭和45年に藤沢市の「市の花」に制定された「フジ」がデザインされている。

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これは植物図鑑のようだ。これもマンホールの蓋なのか?ずいぶん豪華な「作品」もあるのだなあ。

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マンホールを見るために「下を向いて歩こう」を実践していたら、工事中の歩道脇に何やらレリーフのようなものが・・・。

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これは魚の絵だった。目立たないところに意匠を施すこの職人魂!

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そして極めつけはこのオブジェ風のベンチ。

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ここは「OAKS MALL St.」(オークス商店街)と呼ばれる。その名前を記した兄弟オブジェはこちら。

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◆ブランクーシの降臨
これはブランクーシの「無限柱」。

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というのはもちろん嘘だが(嘘が多くてすみません)、この作品を縦に3つぐらいつなげたら本当に「無限柱」みたいになりそうだ。これは「サムジュモール」(南仲通り)という商店街のために児玉慎憲によって制作された作品群の一つ「サムジュモールの波」だ。銘版には作品名が記載されているが、制作者名は無い。

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この通りには他にも児玉慎憲の作品が並んでいる。通りそのものをテーマとした「サムジュモールの樹」、「サムジュモールの太陽」もそうだし、海をテーマとした「海行く物」、「海をのぞむオーケアニデス」、「海の形」もある。これだけ貢献しているのだから、児玉慎憲の名前の露出がもっとあればいいのにと思った。

◆片岡球子をめぐって
今回は片岡球子の存在がやたらに大きな催しだった。行政の中心・市役所に入ると「めでたき富士」という大きなレリーフがあった。造形はルイ・フランセンというアーティストが担当したと銘版に書いてあるが、原画は片岡球子である。

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絵画と異なり、レリーフの場合はその盛り上がりが魅力となる。この迫力ある突起物の集合体を見よ!これは富士山のコニーデ形を象徴しているのではないか?

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街に繰り出すと、トリック・アートの一種である「鞘絵」(さやえ)があった。わが街にもこんなものがあったのかと一同驚く。この役者の絵はどことなく片岡球子の描く人物画に似ている。

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そのすぐ近くには「ちば 通 店街」という所々文字が消えている看板が。失った文字を元に戻すと、これは「橘通り商店街」と読める。歯抜けでも充分用をたすという考えがあるのか。

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そして極めつけは、フランク・ロイド・ライトの弟子・遠藤新が設計した「旧近藤邸」を観た後にやってきた。まずは「旧近藤邸」をじっくり観賞しよう。

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そしてそのすぐ近くのある場所に、何やら彫刻らしき物があった。それが片岡球子の作品に似ていたのである。「えっ、片岡球子って彫刻も作ったの?」と驚く人もいた。調査すれば事実が判明するだろうけど、それだと面白くないのでこの件はこのまま封印し、わからないまま放置しておく。事実が判明してしまうと、面白くなくなるからである。

◆出会いのとき
「奥田公園」の前庭には熊坂兌子(くまさかなおこ)の大きい作品「PEACE」が鎮座している。半抽象の形が美しい。

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制作場が安田侃の隣という話を聞いて驚いた。そして、ツアーの後「平本公男展」に行ったら、なんと会場で制作者(熊坂兌子)に出会ったのだ。「PEACE」の制作者と出会ったのだから、私の生活には平和がもたらされるであろう。有意義な一日だった。

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