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2009年10月 4日 (日)

歌&ピアノ ファミリーコンサート

「ワンコイン 歌&ピアノ ファミリーコンサート」(藤沢市民会館 第1展示ホール)に裏方で参加した。

◆第Ⅰ部♪「ピーターと狼」
安田由里子の大きな絵をパネルに貼って背景とし、ペープサート(注:棒の先に取り付けたピーターや狼などの配役の姿絵を動かして劇を演じる趣向。これは和製英語で正しい英語はペーパー・シアター)が演じられた。親子で気軽に聴けるコンサートなので、来場した子供たちは喜んでいたようだ。この企画は良かったと思う。

安田由里子の絵は写実的な中に観る人をなごませるムードがあった。色合いもほどよく、ペープサートの背景に相応しかった。

個人的に残念だったのは、舞台中央で演じられる劇に注目が集まり、ピアノ連弾の演奏に観客の目線が届きにくかった事だ。これは劇を主とし、音楽を「劇伴」と位置付ける舞台芸術のあり方だから構わないのかもしれない。でもせっかく面白い編曲で、演奏にも力が入っていたのだから、何かしらの方策で演奏者のほうも見せる工夫があってもよかった。例えば(今回の舞台の流れのうえでは少々無理があるが)劇の途中でピアニストが配役の一人を演じ、ある箇所だけ中央舞台からピアノのほうへ観客の目を転じさせるというような具合である。

音楽(ピアノ連弾)に劣らず重要な要因となったナレーションは、今回の演奏グループ「アンサンブル アスコルタ」のアルト歌手が受け持った。プロの歌手によるナレーションは響きが一味違うなあ。ピアニスト達と日頃一緒に演奏しているので、旋律ではないが、音楽の波に載ってナレーションが流れていたように感じた。

◆第Ⅱ部 歌
♪「バイエルによる女声合唱曲集」という作品があったのか。私は幼少の頃ピアノを習っていたのでバイエルには大変お世話になった。懐かしさと面白さが入り混じった興味深い内容だった。それにしても、編曲者はいいところに目を付けたな。こういう曲に接すると、また作曲をしたくなった。創作意欲をかきたてる作品だ。

♪「竹田の子守唄」は芸術性が追求された優れた編曲だったと思う。2つの声部が主要旋律でカノンを奏すると同時に、第3の声部が冒頭の「ねんねこやー」という節をオスティナート風に添えるという凝った作りの箇所もあった。また声部のからみもポリフォニー的であると同時にヘテロフォニー風で、独特のムードを醸し出していた。

◆アンコール♪「小さい秋みつけた」
演奏者も観客も一緒に歌えるように、プログラムの裏に歌詞が刷られていた。子供たちの来場を想定し、ひらがなを多く使っていたのは良かったと思う。企画・運営面で高得点をマークした。

◆演出・照明
第Ⅰ部に比べて第Ⅱ部は若干長い。また劇ではなく純粋に演奏を聴く場である。そのため若干飽きてしまった子供たちもいたようだ。これをどうすれば救えたか?

今回照明は固定されていた。確かにオペラとは違うので照明に凝る必要はないと思う。でも第2部の中間でわらべうたや民謡が3ステージ続くあたりでは、若干静かで淋しげな雰囲気を出すために照明をアレンジしても良かったのではないかと思った。その前後で明るくすれば、照明において「明―暗-明」という三部形式を形成することができ、プログラムにもリズムが生じて飽きさせない内容になったのではないか。切り替えも2回だけだから、オペラなどに比べれば単純で操作も簡単にできただろう。

◆総評
総じて楽しいコンサートだった。演奏は素晴らしかったし、盛況で用意した椅子が足りなくなったのは嬉しい悲鳴だった。私たち裏方は冷や汗をかいたが(笑)。

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コメント

師匠!
♪「小さい秋みつけた」は好評だったようでよかったですね!

Hiroki Teeさん、先日は雑司が谷でのコンサートに来て戴きありがとうございました。
説明不足ですみません。「小さい秋みつけた」は、今回は私の編曲ではなく市販の楽譜が使われました。

ここでオヤジギャグを一つ。コンサートが盛況で満席状態。そこにお客が一人来て「小さい空き見つけた」と言って席を確保できたとさ。

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