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2009年9月28日 (月)

線の迷宮・番外編

「線の迷宮・番外編 響きあい、連鎖するイメージの詩情―70年代の版画集を中心に」(目黒区美術館)に行った。会期終了の前日に滑り込んだ形だ。

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最近、何回かに分けて近年の版画作品を観る機会があったが、今回の展覧会は頭の中に点在している記憶と印象を集大成することができ、とても有意義だった。裏表が酷似するチラシも魅力に溢れていた。

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美術館での企画上の分類に沿って感想を書き留めておこう。

1 連鎖するイメージ-黒の詩情

♪李 禹煥(リ ウファン)
「FROM LINE」の小気味いい線刻に魅力を感じた。大きな刷毛でズズっと描くコンセプチュアルな絵画もいいが、こういう版画作品における線のリズムはもっといいなあ。一味違うリ ウファンを観た。

♪中林 忠良(なかばやし ただよし)
版画集「剥離される日々」は3カ月ほど前に町田市国際版画美術館での個展で観たばかりだった。その幻想的な魅力を反芻することができた。

♪柄澤 齊(からさわ ひとし)
いま最も畏怖の念にかられる作家だ。「燭罪領<七つの大罪による>」のいくつかは鎌倉での個展でも観た。「肖像 Part 1」もしかり。今回は特に XⅦ「天正少年使節」が印象に残った。いずれにしてもこの作家の緻密な幻想は恐るべき世界だ。

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2 連鎖するイメージ-色彩の詩情

♪黒崎 彰(くろさき あきら)
彩色された木版画集「中国」は横尾忠則のポスターにそっくりで、てっきり横尾作品だと思った。

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3 詩画集-言葉と版画

♪木村 茂(きむら しげる)
銅版画集「木 林 そして森」の異様な世界に引き込まれてしまった。一見、樹木を写実的に描いているように見えるが、それらが異界の生命を宿したかのように変容する。小さな長方形の中にシュールな、奇妙な世界が繰り広げられる。

♪秀島 由己男(ひでしま ゆきお)
版画集「彼岸花」は多少俗っぽい感じがしたが、シュール的な味わいがあり、棄てがたい存在だった。

♪深沢 幸雄(ふかざわ ゆきお)
彩色された銅版画集『宮沢賢治「春と修羅」より』は素晴らしかった。民話調のものもあるが、シュールで不思議なタッチの作品が多かった。

♪野中ユリ(のなか ゆり)
彩色版画「イリュミナシオン-大洪水の後/神秘/花々/野蛮」はインパクトの強い作品群だった。

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