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2009年9月20日 (日)

ジャパン・クラシカ 第2回演奏会

「ジャパン・クラシカ 第2回演奏会」(ティアラこうとう 大ホール)に行った。

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プログラムは指揮者が決めたのだろうか、それとも団員による選曲委員会で決めたのであろうか?どちらかわからないと「選曲評論家」(あるいは「曲順評論家」)の私としては意見を書きにくく、激辛の筆が鈍ってしまう(笑)。ドイツ在住の増田宏昭がタクトを振るから、3曲すべてドイツ人作曲家の作品を並べたのは順当なところだろう。

冒頭の「ウィンザーの陽気な女房」は、ドイツ人といっても、イタリアで学んだニコライのラテン気質が少し混ざったような軽めの作品だ。まずはこれで観客に親しみを持たせるという意味で、妥当だと思う。

2曲目はシューマンのピアノ協奏曲だった。ドイツ人作曲家だが三大Bに比べると構築性が弱い。逆にロマン性が高いから1曲目を受け継いで、聞き手の関心をそらさないという意図だろう。良いのではないか。

最後はブラームスの交響曲第1番。演奏者にとっては最も面白く、楽しい作品だろう。逆に観客にとっては渋い作品なので、「受け」を取りにくい。最後に「受け」て盛り上がるためにはシューマンの交響曲と曲順を入れ替えるのが安直な方法だろう。そうせず、難渋な曲を3曲目に置いたからには、「受けにくい」というハンディを乗り越える必要がある。これは演奏の巧みさもさることながら、演奏者の情熱を伝えるのも必要だろう。

そして、それは見事に満たされていたと感じた。演奏者を観察していたら、特に終楽章の後半になって嬉々とした表情で演奏していたメンバーが多数見られた。観客そっちのけで、自らが夢中になっているふうにも見えた。でもこれはお客様を無視するということにはなく、その熱意が客席にも届くので、結果的に聴き手を刺激し、観客を巻き込んで盛り上げることになったと思う。

アンコールは同じくブラームスの「ハンガリー舞曲第1番」。良い選曲だと思った。ブラームスという同じ作曲家の流れがあり、かつ曲の性格は全く異なり親しみやすさを前面に出しているから。

実は私は基本的には室内楽愛好家だが、オーケストラ曲の中ではブラームスの交響曲4曲が好みだ。室内楽の楽しさと同等の喜びをもたらしてくれるからだ。

某アマチュアオーケストラにエキストラで出演した際、私と同じ趣味の弦楽器奏者とめぐり合うことができた。彼も基本的には室内楽が好きだが、所属する管弦楽団については「ブラームスだけ演奏するオーケストラ」でいいんだと言う。今年の定演は1番。来年は2番。さ来年は3番。その翌年は4番。そしてその次の年は1番に戻る、というサイクルだ。

聴衆は飽きるという反論が出そうだが、彼の説によると4年も経つと忘れるから大丈夫だということになる。これはかなりの極論だが、私の趣味にずばり合致していて嬉しかった。

増田さんとジャパン・クラシカさん、今後上記のようにブラームスを続けませんか?ついでに自分の趣味でいうと、フランクのニ短調、ベートーヴェンの第3番あたりを混ぜてもいいですが・・・。

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コメント

結構、マニアックなプログラムですね(笑)。
増田さんの指揮は、聴いた事がないのですが、ジャパン・クラシカは、よく本番されていますよね?
シューマンよりブラームスの方が、室内楽等充実していますよね?
ブラ-ムスの室内楽曲は、良い演奏を聴くと心に残ります♪~

・Makikoさん、いつもお世話になります。貴ブログもよく拝読させて戴いています。
・増田君は高校1年の同級生で音楽好き同士でした。でも彼は芸大のピアノ科に進み、私は音楽は食えないと思ってその道を断念しました。
・Brahmsといえば、本日9/22は雑司が谷音楽堂で弦楽六重奏曲第2番を弾きます。某アマオケのコンサートマスターも弾いてくれるという贅沢さです。

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