半券の復権11: 杉本博司「歴史の歴史」
F君と会った際、「最近、切手や絵葉書のシリーズを書いてませんね」と言われた。記録を見たら、その通りだった。
切手って楽しい:2007年7月に第6回で中断
チラシらしさ:2007年7月に第4回で中断
絵葉書の世界:2007年10月に第10回で中断
半券の復権:2008年1月に第10回で中断
所蔵数は結構あるのだが、インパクトがあるものは結構少ないのでなかなか記事を書けないのだ。でもあまり間があくといけないので、この辺で復権させよう。というわけで、まずは「半券の復権」から。
この2枚の半券は両方とも「杉本博司 歴史の歴史」展のものだ。左は私が行った国立国際美術館(大阪)、右はF君からもらった金沢21世紀美術館のもの。
これらは同じデザイナー(又は会社)に依頼したのであろう。文字のフォントとレイアウトが似ている。その基盤の上に、全く異なる写真が添えられている。
左の大阪の半券はインパクトがある。鮮やかなプラズマの閃光の下では目をむいた男神が挑んでくる。
これに対して右の金沢の半券は対照的に静寂を感じさせる。黒地は同じだが、闇の中から宝石の青い光が鮮明に浮かびあがる。
「動と静」という違いはあるが、どちらも人を引き寄せる魅力を持っている。過去の記事にも書いたが、半券というのはチラシと異なり「釣った魚に餌をやる」的なものだから、地味でもよいはずである。しかし、そこに注力することによって、来場者の評価も高まり、美術館に対する信頼感も強まるのかな、とも思う。
半券はチラシと異なりサイズが小さいので紛失しやすい。私は最近行った展覧会のチラシをクリヤファイルに収め、そこに半券も一緒に入れておく。こうするとなくならないし、後で反芻する楽しみの一助となる。
半券は小さいが、魅力は大きい。
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