過日になるが、おなじみF君と大阪に行った。屋外彫刻の探索が目的だ。たった一日で長い距離を歩き、多くの彫刻を観賞し、たくさんの写真を撮った。
その成果をまとめるのに手間取り、なかなか拙ブログに載せられなかった。それではもったいないので、小出しに紹介しようと思う。
まずは最も力作が揃っていると思われる「中之島緑道」から。
この緑道は中之島の南側(土佐掘川側)にあり、屋外彫刻は淀屋橋から肥後橋の間に集中している。
淀屋橋を起点に歩く。橋の欄干が既に芸術志向である。
まず最初は藤木康成の「陽だまりに遊ぶ」というほほえましい作品。先ほどの橋の欄干が後ろに見える。
母親の体が若干デフォルメされ、直角に折れ曲がった形状をしている。その先に子供が乗って遊ぶ様はシーソーのようだ。
次は斉藤均の「風標」。抽象作品だ。
若干ロシア構成主義の名残のような雰囲気がある。力強そうでいて、脆弱そうでもある。そのような矛盾をはらんだ形状が面白い。
次は石田眞利の「くもの椅子」。
この「くも」というのは、怖い「蜘蛛」ではなく、空の「雲」であろう。雲が椅子に腰掛けている情景を描いたという感じだ。造形的に面白い作品だと思った。
次は増田正和の「一対の座」。
堀内正和と同じ名前の作家だな。文字通り座布団が二つ並べられているような作品だ。「椅子」の次は「座布団」か。恣意的な作品配置をしているのだろうか。
次は面白い作品だ。天野裕夫の「十魚架」。
「十字架」の「字」を「魚」に変えて作品名にしたものだ。確かに十文字を形成しているのは魚のように見える。罪を背負った魚が十字架にかけられた姿を描いたものか。
偶然だが鳩が3羽舞い降り、1羽は作品のてっぺんに、2羽はフェンスの手摺にとまった。これらの鳩が作品の背後に二等辺三角形を形成している様は宗教的ですらある。
そして次が冨長敦也の「広場―鳩のいる風景」で、この奇妙な符合に驚く。
中腰になって2羽の鳩に話しかけているのは子供だろうか、それとも大人であろうか?ここでは、なごやかな時間が流れている。
そしていよいよ巨匠の作家による「半分に切られた円環と筋が切られた円柱」・・・。
なんていう作品では無くて、これは単に蛇口が壊れた水のみ場だったようだ。でもなかなか見事な造形なので、抽象彫刻だと言っても通ると思う。
そして河合隆三の「日溜(ひだまり)」。
母が我が子を抱いて真昼の公園にのんびりする様を表現したのかもしれないが、木陰でいきなりこの作品に対峙するとちょっと怖い。大きな作品なので、そのせいかもしれないが。
次は掘義幸の「TWO RING ―空間の軌跡―」。
これは堀内正和のブロンズの作品を黒くし、若干平べったくしたような形状だ。これは好きなタイプの作品だ。偶然であろうが銘版にも花が添えられ、作品の出来を称えているようだ。
ちなみにこの薔薇の名前は「ダーク・レディ」というそうな。
作品の隣りに花壇があるのはアドバンテージになるなあ。
花があるので、北田吉正の「花の天女」が続く。
ふっくらした体で花をしっかり抱き締めている。ほのぼの系の天女だ。そしてその背後には重厚な日銀の大阪支店が。柔らかい天女と堅い銀行の外壁との見事な調和!
そしてまた一見作品のような水飲み場が鎮座し、その背後には悪魔の紋様が描かれている。さらに右からはデ・キリコ描く彫像の影が忍び寄る。ここだけ異界スポットだ。
その隣りには星取表が。なぜこんなところにあるんだろう?
次は「四つ目のロボット」という作品ではなく、排気ダクトと思われる。でもこれも作品みたいに見えてしまうところが、この界隈の魔力かもしれない。
最後の作品は「雲の詩」。河原明の作品だ。
雲に乗った人体が大空に向かって飛翔するかのような一瞬だ。高層ビルを背景に作品が映える。
肥後橋にたどり着いて「中之島緑道」の彫刻探索は終り。暑かった。
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