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2009年5月11日 (月)

杉本博司 歴史の歴史

「杉本博司 歴史の歴史」(国立国際美術館:大阪市北区中之島)に行った。

Photo_2

実は当初の関心は国立国際美術館そのものにあり、杉本の個展が開催されていることすら知らなかった。そして常設展は無く、入館するなら企画展を観るしかないと言われた時、「例の白っぽい劇場か、海の写真が延々と並んでいるのか」と、正直引いてしまった。

案の定、劇場の写真こそ無かったが、海の連作は展示されていた。率直なところ面白いとは思わなかった。

しかし他のコーナーをいろいろ観たら、結構インパクトを受け、杉本を見直すきっかけとなった。特に放電の瞬間を撮って大きく引き伸ばした白黒作品には引き付けられるものがあった。最初は微生物の顕微鏡写真かなと思ったが、放電場だった。

そのコーナーの片隅にはマルセル・デュシャンの額入り写真が下げられており、それを覆うガラスには銃で撃ったような穴が空き、ひび割れが拡がっていた。そしてその反対側には一面に鏡が貼られ、その一部にやはり弾丸跡のような穴と亀裂があった。

それら2つの割れたガラスに挟まれた空間に、大きな放電場の写真が何枚も並べられていたのだ。この配置は呪術的・儀式的なものを暗示しているようだ。

このように写真1枚1枚だけでなく、それらの作品や壁面などを総合した「空間」あるいは「場」として展示するやり方は非常に強い印象を残す。全体としてなかなかの展覧会だった。

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