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2009年5月11日 (月)

竹内 聡フルート・リサイタル

「竹内 聡 フルート・リサイタル」(ザ・フェニックスホール:大阪市北区西天満)に行った。

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竹内 聡は会社勤めのアマチュア・フルーティストである。その竹内がリサイタルを行った。これは大したものだ。その能力と実行力に対し素直に拍手を送りたい。

このリサイタルは竹内が人生の節目において、自分の望んだ事を成し遂げたいという願望を実現させたものだ。従って「冷酷な選曲評論家(?)」である私としても、今回の竹内の選曲に関しては厳しいコメントは付けにくい。

しいて言えば6曲(およびアンコール1曲)というのは個人リサイタルとして多すぎたのではないかと思う。しかしやりたい曲を並べたらこの6曲になってしまったのだろうから、他人がとやかく言う余地はないのだろう。

私は竹内の体力の消耗を心配したのだ。コンサートの最後の段階では相当疲労が蓄積していただろう。それでもアンコールを含めて吹き切った勢いは賞賛に値する。結果的に出来てしまったのだから、竹内の勝ちである。

個人的には丹波明のソナタが面白く、かつ演奏も良かったと思う。丹波明は日本人だがフランスに行ったきり帰って来ないので日本では知名度が低い。私も知らなかった。実際に曲を聴いてみると、フランス風の香りがする上品な芸術作品だった。丹波明は俳優の丹波哲郎の実弟だと聞いてびっくり。

フルートのための室内楽は弦楽器に比べて数が少ないと思うが、このように埋もれた名曲がまだあるのか。フルートの曲というと、バッハを別格とすると、私は別宮貞雄のソナタを最も愛する。丹波明と同様、フランス近代の洒脱さと上品さを備えた傑作だから。そして丹波のソナタは別宮作品と肩を並べてもいいぐらいの出来だと思った。

最初と最後はプロのフルーティスト・吉岡美恵子とのデュエットが配置されていた。これはコンサートの組み立て上、効果的だったと思う。竹内はプロに迫るテクニックに加え、音の出し方やリズムに誠実さを滲ませており、それが好感度を高めていた。

アンコールの演奏中、背後のシャッターが上昇し、その向こうには大阪の街景色が広がり驚いた。この効果的な演出にも脱帽。

久しぶりに最初から最後まで楽しいコンサートを聴いた。

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