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2009年4月 1日 (水)

歴史の天使(写真展)

2009年3月31日(火)
「歴史の天使 アイ・ラヴ・アート10 写真展」(ワタリウム美術館:神宮前)に行った。

Photo

今回展示された20人のアーティストによる写真作品のなかでは、ロバート・メイプルソープの作品から最も強い印象を受けた。しかし、元来私はメイプルソープが嫌いだ。

いつだったか北海道に旅行した際、ある美術館に立ち寄った。そこでは常設展の他にメイプルソープの特別展示も企画されていた。義理の両親からこの企画展は面白いかと聞かれて、私は即座に「つまらないから常設展だけにしたほうがいいですよ」と言ったことを覚えている。そんな私がなぜ嫌いのはずのメイプルソープ作品に心を動かされてのだろうか?

今回の展示では、「得意の」ヌードではなく花を撮影した作品が主に展示されていた。この花がなんとも艶かしいのだ。ジョージア・オキーフが描く巨大な花弁を思い起こして欲しい。ちょうどそのような感じの写真なのだ。そしてそれが観る者を圧倒するオーラを発しているのだ。

花にしろ人体にしろ、メイプルソープの作品はみな「造形的」に見える。もしその造形物が無機物で構成されていたら、キュビズムの絵画のように好感を持って美しく思うだろう。これに対してメイプルソープの写真は「有機物」であり、それも極めつけの「生命の躍動がある有機物なのだ。これが観る人を圧倒するのではないだろうか?

ヘルムート・ニュートンの妖艶な女性像も捨てがたいが、「生」の根源から発する放射線の威力においてメイプルソープに並ぶ者はいない。そんな発見をした展覧会だった。

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