花見 in 砧公園
砧公園で花見を楽しんだ。
砧公園の入口は花見客でごった返していた。その人混みに押されて倒れそうな看板は、大きな樹に支えられているように見える。いや、押されて倒壊しそうなのは樹木のほうで、看板がそれを支えているのか。
公園入口の前にはサルスベリの樹がある。手造りの表示板が楽しい。
でもサルスベリそのものはもっと楽しい。この樹皮に表出した抽象絵画の美しさを見よ。
入口から公園に入ると、こんどはケヤキの表示板が。これはもっとカラフルだ。
ケヤキもサルスベリに負けじと「樹皮絵画」を具現させている。これは帽子か長靴か。
こちらも美しい。ロベール・ドローネーの円環構成を想起させる。
私は「植物音痴」だ。花の名前を知らない。黄色い花を見たら菜の花だと思ってしまう。これは菜の花に違いない。菜の花に決めた。なぜならまた山村暮鳥の「いちめんのなのはな」を思い出してしまったからだ。
真実には3種類ある。1.「科学的真実」、2.「文学的真実」、そして3.「なりゆき上の真実」だ。この場合は「なりゆき上の真実」に当てはまる。誰が何と言おうと、これは「いちめんのなのはな」でなければならないのだ。
あっいけない。花見に来たのに、桜以外のことばかり書いてしまった。すぐ本筋から外れる悪い癖だ。
それでは頭を切り替えて、まずは大きな桜の雄姿から。桜の花に隠れてシルエットだけ見えるのは、「20世紀少年」の「巨大ロボット」か。
花見をするには場所と酒と肴が要る。「ここに決めた」というスポットの芝生の緑に持参した丹沢の地酒「松みどり」を設置する。
やがて花見プロジェクトチームのメンバーが集結し、「松みどり」を軸として豪華な肴が乱舞する。エントロピーは常に増大するのだ。
そして遠方に眼を転じると、そこにはNHKが。あれっ、ここは渋谷に近かったっけ?
そんなジョークも飛び出したのだが、一瞬本当に渋谷の近くなのかという考えが頭をよぎったので、笑えなくなった。後で調べたら、これはNHK技術研究所だった。
お後があんまりよろしくないが、楽しい花見は収束に向かったのであった。
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