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2009年2月 8日 (日)

粟津潔 60年の軌跡

2009年2月8日(日)
「複々製に進路をとれ 粟津潔 60年の軌跡」(川崎市民ミュージアム)に行った。インフルエンザもどきの後遺症で若干頭痛がしていたが、そんな事は言っていられない。これは私にとって重要な展覧会だったから。

Photo

そして展示は事前にイメージした通りの点数とバラエティ度で、内容も期待した通りのインパクトあるものだったので結果として大満足だった。

主力作品群であるポスターを観て思った。観客がこんなに素晴らしいポスターを観てしまった後、もししょぼい映画を見せられたら「誇大広告」として暴動が起きただろうな。だから映画配給会社としては、粟津作品をポスターに採用する場合はそれなりの覚悟で臨まないといけないという事になる。そのため脚本家も、監督も、俳優も、その他関係者すべてが必死になって取り組んだことだろう。そして、その結果として優れた映画作品が作られたのだろう。

以上は私の推測に過ぎないが、もしこれが本当なら映画ポスター製作者が映画制作関係者すべてを律することになる。まあ多少大げさな表現になってしまったが、それほど粟津の作品は強烈な印象を残すのだ。

初期作品を眺めて、すぐこれはベン・シャーンの影響だとわかった。しかしその線刻が達者で魅力あるのだ。悪く言えば真似だが、良く言えばベン・シャーンに学び、それを自分のものとして消化し、さらに高めたということになる。

後年の作品では、横尾忠則のポスター作品と見分けがつかないものもあった。これは互いの優れたところを取り入れ、自分の中で昇華させるという一種のコラボレーションと考えればいいのか。そういう点で、展覧会のテーマに掲げられた「複々製に進路をとれ」は私としては好感を持って理解したと思っている。

病み上がりに、このような充実した展覧会に行って疲れたが、満足度が高かったのでよかった。

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