Domani・明日展
2009年1月12日(月)
「未来を担う美術家たち Domani・明日展」(国立新美術館)に行った。
最近私は「選抜奨励展」のように未だ無名の若手アーティストの公募展が面白く、この展覧会もその種のものだと思っていた。しかしチラシで大々的にPRされているように、既に高名の舟越桂も参加していたから、若干路線が異なるのかと考えた。既に評価が定まったか、あるいはその直前あたりに位置するアーティストたちの展覧会という感じなのか。
素直な観かたからすると、山本昌の構成感あふれる「音をたつ」、駒形克哉の金ピカだが渋い「スコラ宇宙の回転」、中井貞次の清楚な「桂林の月」、石井勢津子の神秘的なホログラム作品などが眼に心地よかった。もちろん「巨匠」舟越桂の彫刻作品も印象深いものがあった。
ヒグマ春夫のビデオ作品は2つ放映されていたが、文字が乱舞するタイプのほうが良かった。構成感とリズムを楽しめた。しかしもう一方の街角の風景に波や回転球体(地球?)を重ね合わせた作品は、それなりに面白かったが何か物足りなかった。異質なものの出会いというシュール路線でいくのか、エコなどのメッセージ発信でいくのか、方向性がはっきり見えなかったからだと思う。
開発好明の「レシート日記」はもっと中味を見せて欲しかった。描き続けた一連のノートの表紙だけを並べられても、河原温の二番煎じに見えてしまうのだ。このてのコンセプチュアル・アートは、残念ながら「早い者勝ち」的な要素が強いと思う。
田中信太郎の3つの彫刻は、一直線上に並べて設置されていた。これは呪術的なものを連想させ、場の雰囲気を作っていたように思う。
全体を振り返ると、昨年観たよりは全体的にインパクトがあったように感じた。今後も継続して見守りたい。
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